「腰椎椎間板ヘルニア」が部活で発症する原因ってなに?

 

腰痛の中でも有名な「腰椎椎間板ヘルニア」。

 

「歳をとると腰痛になる」と思っている方が少なくありませんが、実は腰椎椎間板ヘルニアは、比較的若い年代に多い症状なのです。

 

中高生は特に部活動がきっかけで、腰椎椎間板ヘルニアになることがあります。

 

ご自身が、またお子さんが腰椎ヘルニアや腰痛などでお悩みでしたら、このページはきっとお役に立てると思いますので、ぜひ一読してみてください。

 

 

【目次】

 

 

◆腰椎椎間板ヘルニアとは?

「ヘルニア」とは、ドイツ語で「飛び出す」という意味を持ちます。「椎間板」とは、背骨を構成する一部を指します。

 

 

首から腰にかけての背骨(椎骨)は、頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個の合計24個あり、椎骨とその間にある椎間板が連なって構成されています。そして、椎間板は体にかかる衝撃や負荷を吸収するクッションの役割をしています。

 

 

椎間板は「髄核 (ずいかく)」と「線維輪 (せんいりん)」で構成されています。

 

髄核は水分を豊富に含むゲル状の組織で、椎間板の中央にあり、その髄核をドーナツ状に取り囲んでいるのが繊維輪という、コラーゲンを豊富に含む強固な組織です。

 

この2つが互いに協力し合い、腰椎に掛かる衝撃や負荷を分散してくれているのです。

 

しかし、腰に過度に負荷が掛かると椎間板は押しつぶされ、中の髄核が繊維輪を破って外に飛び出し(ヘルニア)てしまいます。

 

 

この飛び出した髄核が神経を圧迫すると、下肢に響くような痛みやしびれが起こるのです。

 

腰椎椎間板ヘルニアには、椎間板が圧迫されている部分や、神経に触れている位置によって、痛みやシビレが出る部位が変わってくるという特徴があります。

 

逆に言えば、飛び出した髄核が神経に触れなければ、痛みやしびれは起きません。腰椎椎間板ヘルニアを発症しても、腰痛やしびれが無い方もいらっしゃるのです。

 

腰椎椎間板ヘルニアが原因で、どの部位にどんな症状が出るかは、以下を参考にしてください。

 

《腰椎1・2番間の椎間板ヘルニア》

腰の上あたりに痛みが出ることが多いです。

 

《腰椎2・3番間の椎間板ヘルニア》

足の付け根やそけい部が痛んだり、だるくなったり、ときにはしびれたりします。

 

 

《腰椎3・4番間の椎間板ヘルニア》

太ももの前の部分が痛んだり、だるくなったり、ときにはしびれたりします。

 

《腰椎4・5番間、腰椎5番・仙骨間の椎間板ヘルニア》

腰椎椎間板ヘルニアは、腰に過度な負担がかかりやすい第4腰椎と第5腰椎間や、第5腰椎と仙骨の間での発症が全体の90%を占めます。

 

おしりから下肢の外側や裏側に痛みやシビレの症状が出るのが特徴です。

悪化すると、足に力が入らなくなったり、足の感覚障害が出たりします。

 

 

◆腰椎椎間板ヘルニアはなぜ若い年代に多いのか

腰椎椎間板ヘルニアの好発年齢は20~40歳代です。患者さんを年代別に見ると、最も多いのは20代で35%、次いで30代で27%、40代で20%くらいと言われています。

 

椎間板は、子供の頃は約80%が水分で満たされたクッション性が高い状態ですが、年齢とともに硬く、薄くなっていきます。

 

しかし、クッション性が高いからこそ、負荷が掛かったときの内圧が高まり、髄核が繊維輪を飛び出し神経を刺激する腰椎椎間板ヘルニアになりやすいのです。

 

高齢になるとクッション性が低下するため、腰椎椎間板ヘルニアより腰部脊柱管狭窄症のリスクが高くなります。

 

そして、腰椎椎間板ヘルニアにしても腰部脊柱管狭窄症にしても、腰痛症状悪化の原因には「姿勢」が大きく関係しています。そのため、子供の頃から正しい姿勢や体の使い方を学ぶ「姿勢教育」が大切なのです。

 

特に運動系の部活動に所属しているのであれば、姿勢だけでなく、その競技の特徴にあった身体の使い方を学ぶことも重要になります。

 

 

 

 

◆腰椎椎間板ヘルニア発症のメカニズム

腰椎椎間板ヘルニアが発生するメカニズムとしては、大きく2つの原因が考えられます。

 

①先天的な原因がある場合

腰椎椎間板ヘルニアには、体質や骨の先天的な形など遺伝要因が関連するケースも多くあります。

先天性の骨格異常や骨密度が低い場合などは、腰への負荷に耐えられなくなり腰椎椎間板ヘルニアになってしまうことも少なくありません。

 

②生活の中で腰椎に掛かる過度な負荷が原因の場合。

☑重い物を持ち上げる

☑長時間座っている姿勢が続く

☑長時間立っている姿勢が続く

☑座ったまま前屈みになる

☑スポーツなどで過度な負担が腰に掛かる

 

私達は日常生活の中で、上記のような「不自然な姿勢や動作」で、腰や背骨に過度に負荷をかける事が非常に多くあります。

椎間板に大きな負荷を掛ける動作例を見てみましょう。

 

【座ったまま前かがみで重い物を持ち上げようとする】

→500kg以上の負荷が掛かる。

 

【猫背】

→体重の約2倍の負荷が掛かる。

 

【足を組む】

→坐骨が浮くため片側の骨盤に体重の約半分もの負荷が掛かる。

 

 

このような動作や姿勢から、腰や背骨に継続して負荷が掛かると、その周辺の筋肉は体を支えるうちに筋肉疲労を起こし、過度の筋緊張を生みます。更にこうした状態が継続すると、背骨の生理弯曲の消失など、骨格への影響が出てしまうのです。

 

生理弯曲が崩れは、重力の分散吸収を阻害し、立っているだけでも筋肉に過度な負担を掛け、疲労を溜めてしまいます。

 

疲労が溜まった筋肉が炎症を起こすと、腰痛や背中痛などの症状が出たり、これが長い間続くと、更に骨や筋肉への負担が増し、腰椎椎間板ヘルニアの発症につながるという、負のスパイラルに陥るのです。

 

これはまだ10代の中高生も例外ではありません。

 

◆部活で腰椎椎間板ヘルニアになる原因

部活で運動をしていると足腰が強くなる印象もありますが、一方で腰椎椎間板ヘルニアになりやすい負の流れがあります。

 

① オーバーユース(練習量増加、過度な負荷など)により体に疲労が蓄積される

② フォームが崩れ、ケガや体の歪みを誘発。姿勢の悪化につながる

③ 体のバランスが崩れた状態で運動して、腰に大きな負担がかかる

④ 何気ない動作、運動による衝撃がきっかけで腰椎椎間板ヘルニアになる

 

中でも発症しやすいのが
・野球
・ゴルフ
・テニス
・卓球
・サッカー
・バスケットボール

など、左右非対称で体を使うスポーツです。

 

常に左右どちらかに偏った動きが多いため、体のバランスが悪くなりやすく腰に負担がかかりやすいと言えます。

しかし、たとえ腰痛があったとしても部活の練習ではムリをしてしまうことも多いのが現状です。

 

少し休んで痛みが和らいだら運動を再開する、その繰り返しになっていませんか?

 

体の歪みやバランス、姿勢の悪さなど腰に負担をかけている状態を改善していなければ直ぐに腰痛は再発してしまいますし、症状は悪化するばかりです。

 

また、吹奏楽など激しい動きがない文化部においても、長時間同じ姿勢や姿勢不良によって発症してしまう場合があります。

 

このように腰椎椎間板ヘルニアや、それにより引き起こされる腰痛の原因には、身体の歪み、バランスの崩れが大きく関係しています。

 

成長期の中高生は、今の内から姿勢改善しておくことが症状の改善、将来の腰痛予防になりますし、部活における競技のパフォーマンスアップにも繋がります。

 

さっそく今日からストレッチを行い、早期回復を図っていきましょう。

 

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◆まとめ

腰椎椎間板ヘルニアについてご理解いただけましたか?

 

腰痛やしびれが出たのが最近のことだとしても、遡ると幼少期の姿勢や生活背景に原因がある場合も多いでしょう。

 

腰椎椎間板ヘルニアの完治には、ヘルニアになるプロセスを理解することが大切です。それが不足すると、たとえ手術が成功し、一時的に腰痛などの症状が回復しても、根本的な原因が改善されず、再発する可能性があります。

 

日頃の生活の中で、姿勢やカラダの使い方のクセを改善し、腰部に過剰な負担が掛からにようにして、疲労を溜めないようにしていくことが大切です。

 

Writer

小橋 悟

【資格】
・ 脳と身体の整体療法「QPR法上級認定」
・ ブレイン&ボディバランス研究所  会員
・ NPO法人日本心理カウンセラー協会 会員

子供の頃から母親のカラダの不調を見ていて、 施術家の道を志す。
現在は、月間約400回の施術をしながら、八千代院の院長を務めている。

ここまで磨き上げてきた施術技術・知識に加え、優しい人柄で、来院者さんからの信頼も厚い。

当社が開催するトップランナー整体実践塾やQPR法ベーシック講座、センターラインインソール資格取得セミナーなど、同業の治療家に対しての技術講師も担当している。

その功績を認められ書籍「腰痛解消!神の手を持つ12人 令和元年版」の1人に選ばれる。

   
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