「運動不足だから、健康のためにウォーキングをしよう。」
そう思って毎日ウォーキングしていたのに、「健康になるどころか、たくさん歩いているうちに腰痛が悪化してしまった……」
良いと思って始めたウォーキングなのに、なぜ腰が痛くなるのか色々な疑問が浮かんでしまいますよね。
ウォーキングで腰痛にならないようにするには、「正しく歩ける姿勢」を身につける必要があります。
そうでなければ、健康になるどころか逆に腰痛を発症したり、悪化させてしまう原因になることさえあるのです。
まずは、皆さん自身の身体が、正しいウォーキングができる姿勢であるかを知ってください。
【目次】
◆ウォーキングで腰痛は改善する?悪化する?
腰痛で困っていたので、ウォーキングをはじめたら腰痛が改善された、という話を聞いたことはありませんか?
これは、運動不足などから起こる血行不良が原因の腰痛が、ウォーキングをすることで筋肉が伸び縮みし、血流が良くなり、腰痛改善につながったというケースです。
しかし、腰痛でお困りの全ての方がこのケースに当てはまるわけではないので、ウォーキングをきっかけに腰痛を発症・悪化させてしまう場合があります。
早く良くなりたいという気持ちが強いと、「できるだけたくさん歩いたほうが効果的!」と思いがちです。
しかし実際には、普段運動していない方や身体に疲労が溜まっている方、腰痛がある方が急にたくさん歩くと、腰に負担をかけ、腰痛が悪化するなどのリスクの方が大きくなるのです。
◆毎日1万歩を目標に歩けば良いのか?
運動不足を解消しようと考え、「健康のために、毎日1万歩を歩く」と、万歩計を購入された方も少なくないと思います。
よく聞く「10,000歩」という数字ですが、実はこれはカロリー消費と関係があります。
厚生労働省によると、成人に必要な摂取カロリーは、これまで平均2200kcalと言われていました。
生命維持に必要なカロリーは、人によって違いますが、1300~1500kcal程度、日常生活を送るには、600~800kcalほどが消費されます。しかし、これでは1日当たり100~300kcal余ってしまう計算になります。
そこで出てきたのが「10,000歩」です。
体重60kgの人が、1分間100歩のペースで歩いた場合、約3.3kcalを消費するので、30分に換算すると約100kcalを消費することになります。余ったカロリー300kcalを消費するには、9000歩=90分が必要になります。
しかし、それでは覚えにくいので、1日10,000歩=100分という数字が世の中に広まったというわけです。
ところが、近年この歩数の基準が変わってきているのです。
厚生労働省は「日本人の食事摂取基準」を5年ごとに改定しており、これまでは「推定エネルギー必要量」を1日の食事摂取量の目安としてきました。
しかし、太っている人や痩せている人など体格が異なるのに、カロリー摂取基準を示すのは難しいということから、2015年より体重と身長の関係から人の肥満度を示す体格指数「BMI※」の目標値を示すことにしたのです。
目標数値の範囲は18~49歳は「18.5~24.9」、50~69歳は「20~24.9」、70歳以上は「21.5~24.9」で男女共に同じです。
※BMI=体重(kg) ÷ {身長(m) × 身長(m)}
例【45kgで身長が158㎝ならば 45÷(1.58×1.58)=18.0259 ⇒約18】
「1日10,000歩」という目安には、年齢や体格、性別、身体の状態までは、考慮されていませんでした。
そのため、4,000歩で十分な方が無理をして10,000歩も歩くことは、腰痛が改善されるどころか、逆にカラダを壊すことに繋がることもあるのです。
腰痛を改善しようとウォーキングを始めたものの、いつの間にか歩くことが目的になっているケースもあります。
「とにかく10,000歩歩くことが健康に良いのだ」と思い込んでいて、腰痛を我慢して無理に歩き続けた結果、腰痛が悪化して歩けなくなった、という方がたくさんいるのです。
「これくらいでは運動が足りない」というご自身の思い込みや、周りからの言葉に惑わされずに、自分に適切な運動量を行うことが大切です。
それでは、腰痛を改善するウォーキングをするならば、まずはどのようなことから行えば良いのでしょうか?
◆ウォーキングには正しい足の動きが必要!
ウォーキングをしたからといって、全ての腰痛が改善されるわけではありません。
崩れた姿勢でウォーキングを続けても、腰に負担がかかり腰痛を悪化させてしまうばかりか、他の部位まで痛めてしまうこともあります。
では、良い姿勢でウォーキングをするためには、何が大切かと言うと「足の動き」になります。
人間が直立二足歩行を行うためには、足底を支点に、重力を利用することが必要となります。
本来、正しく歩けている時は、歩行時の動きに合わせて支点が変化していきます。
足を着く際には「踵」、その後、全体重を支える「足首」へと移動し、さらに足が地面から離れる際は「指」へと移動します。
つまり、ウォーキングでは「踵」「足首」「指」が、支点として正しい動きをすることが非常に大切であり、それができないままウォーキングをしていると、どこかに負担がかかり姿勢が悪くなり、腰痛へと繋がってしまうのです。
では、ウォーキングの際に重要になる「足の3つの支点」について詳しく見てみましょう。
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①踵
踵が地面に接地するとき、重心は一番高い位置から一気に一番低い位置へと、約2㎝ほど落下します。
その重心の落下は、すさまじい衝撃となって身体各部位へ伝達され、この衝撃をまったく吸収しなければ、骨や関節、内臓、脳は大きなダメージを受けてしまうのです。
そこで踵から着くことで、その衝撃を推進力に変え、各関節や筋肉で吸収しないようにしながら前方へ進みます。
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②足首
踵を着いた後は、足首を中心として重心が前方に移動していきます。
膝関節と股関節が伸びて、身体の前方回転をふくらはぎの奥にある筋肉でブレーキをかけます。
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③指
最後に、身体の回転軸は足首から指へと移動します。
この時、反対側の脚は前方に振り出している時期にあたります。
足指で地面を蹴り出す間に、反対脚を前方へ向かって振り出すために、十分な時間的余裕が必要になるのです。
この時間的余裕をつくるために、指で蹴りだす力が必要になります。
こうした動きができないまま、踵から着いたり、つま先の蹴り出しを意識したりすると、腰への負担が増え、腰痛を発症・悪化させる原因となるのです。
そして、これらの動きを行うためには、足部のアーチ、足首の可動がとても重要になってきます。
◆ウォーキング前にしたい「腰痛予防・改善方法」
腰痛をウォーキングで改善させたい、と考えるなら、まず足の支点となる「足部と足首の機能」を改善させることが先決です。
本来人間の足には3つのアーチがありますが、現代人の80%以上のアーチが崩れているという調査結果があります。
この足のアーチが崩れていると、歩行時や立っているときの「安定性」・「運動性」・「吸収性」に支障が出てしまい、それが原因で腰痛を起こすこともあります。
そこで、下記の足裏のアーチを調整するエクササイズをご紹介します。
次に改善するのは、下肢のアライメントです。
「下肢」とは、股関節から足の指先までの部分のことで、「アライメント」とは、身体の配列状態を指します。「下肢のアライメント」とは、股関節、大腿骨、膝関節、脛骨、腓骨、足関節、足部の並びのことを言います。
この下肢アライメントの中でも、特に足関節の可動を改善することが、とても重要です。
どんなに足のアーチがしっかりしていても、この関節部分が動かなければ、本来の正しい歩き方にはなりません。
この関節の調整には、以下のエクササイズがオススメです。
下肢バランス調整エクササイズ
こちらの動画ではさらに詳しく足裏アーチを整えるエクササイズの紹介しています。
◆実際の来院者の声
だんだんエスカレートしていく腰、肩、足の痛み
八千代緑が丘 60代女性
30年間務めた仕事をやめてから家の掃除をすることが多くなりました。
そんな生活が続いていたある日、朝起きる時に肩や腰、足に痛みを感じ始めたのです。
最初は今日だけかも…。と思って放置していましたが、その辛さはだんだんエスカレートしていきました。
前から気になっていた整体の東葉コンディショニングの前を通りがかった際に、思い切ってお店の中に入ってみました。
話を聞いたところ、施術が痛くないということだったため、通うことにしたのです。
今何ができなくて困っているのかを一つひとつ聞き出し、できない動きを調べて確認することで、来店する毎にできることが増えていると実感してもらいました。
足、腰、肩の痛み等体の様々な箇所に不調を抱えていましたが、特に痛みが強く出ている腰の痛みのすべてを、1年かけて改善していくことに決めました。
今では家のことも趣味も問題なくできるまで回復しました。
※こちらは個人の感想です。あくまで結果には個人差があり、効果を保証するものではありません。
◆まとめ
ウォーキングで腰痛をは悪化させないためには、適度な運動量と、体の土台となる足元の機能改善が必要であるということを、ご理解いただけましたか?
「ウォーキング=腰痛予防・改善」の前に、まずはご自身の体の状態を見直すところから始めてみましょう。
また、それでもまだ腰痛が良くならないという方は、是非整体院東葉コンディショニングにご相談ください。