腰痛からくる足の痺れとは

「腰痛」という言葉を聞くと、腰が痛いだけと思う方が多いのですが、症状によっては足に痺れが表れることがあります。

 

病院で診断される腰痛と同時に出る痺れには、主に「腰椎椎間板ヘルニア」「腰椎脊柱管狭窄症」「坐骨神経痛」の3つが挙げられます。

 

今回は、それぞれの特徴や症状についてご紹介していきます。

 

 

【目次】

 


◆足に痺れが出る腰痛の種類

まず、「腰椎椎間板ヘルニア」「腰椎脊柱管狭窄症」「坐骨神経痛」の、それぞれの症状や特徴を見てみましょう。

 

<腰椎椎間板ヘルニア>

ヘルニアはドイツ語で「飛び出す」という意味があります。腰椎椎間板ヘルニアは、背骨を形成している椎間板が椎骨に押しつぶされ、中にあるゼリー状の物質(髄核)が外に飛び出した状態を言います。

 

「お饅頭が押しつぶされて餡が飛び出した」というような状況です。

 

 

症状は、ヘルニアが起きる場所によって異なり、特に《腰椎4・5番間、腰椎5番・仙骨間の椎間板ヘルニア》の場合、足に痺れが表れます。

 

腰の急な激痛(急性型)、鈍い腰痛がしつこく続く(慢性型)、足やお尻にしびれが出たり、前かがみになると痛みやしびれが強まるのが特徴です。

 

特に働き盛りの20~30代によく見られる症状で、逆に10代の若者や60代以降の高齢者には少ないのも特徴の一つです。加齢や腰への負担の蓄積などによる椎間板の劣化が原因です。

 

腰椎椎間板ヘルニアについて詳しくはコチラ↓

「腰椎椎間板ヘルニア」による腰痛は中学生・高校に出やすい!?

 

 

<腰椎脊柱管狭窄症>

脊柱とは背骨のことを指します。脊柱はそれ自体が1つの骨ではなく、椎体と呼ばれる骨が縦にいくつも連なることで脊柱を構成しています。そして、椎骨の中にある椎孔という穴が、脊柱全体を通じて「脊柱管」という空間を作り出しています。

 

 

この空間には神経束や血管が通っており、これらは脊柱管の中で枝分かれしてカラダの各部へと伸びています。

 

腰のあたりの脊柱管が狭くなる病気が「腰部脊柱管狭窄症」です。

 

発症すると脊柱管に圧迫された神経が、痛みや痺れを引き起こしたり、血管が圧迫されれば血流の低下を起こします。

 

症状は、太ももからふくらはぎ、足の裏、両側に出る場合や片側だけに出る場合もあれば、足の症状だけで腰痛は全くない場合もあるなど様々です。

 

主な症状には、次のようなものがあります。

 

・腰痛、坐骨神経痛(腰の周りが重かったり、違和感、はり感)

・下肢にしびれや痛みがでる

・歩き出すと足のシビレや痛みなどで休憩が必要になるが、前かがみで休むと、また歩けるようになる(間欠性跛行)

・麻痺や灼熱感(しゃくねつかん)などの感覚異常

 

 

<坐骨神経痛>

坐骨神経痛は、腰から足にかけて伸びている「坐骨神経」がさまざまな原因によって圧迫・刺激されることで、痛みや痺れなどの症状が表れます。

 

多くの場合、腰痛に引き続いて発症し、次にお尻や太ももの後ろ、すね、足先などに痛みや痺れが生じます。

 

坐骨神経痛になる原因は大きく2つのパターンがあります。

 

1つは、上記でも紹介した腰椎椎間板ヘルニアや腰椎脊柱管狭窄症により、神経が圧迫されることで足に痛みや痺れが生じます。

 

2つ目は「梨状筋症候群」です。梨状筋とは、お尻の深部にある筋肉で、その中を坐骨神経が通っています。

 

梨状筋がこり固まったり、外傷やスポーツ中に圧迫されるなどして起こります。

 

この2つ以外にも、病気が原因となって痛みや痺れなどの症状が出ることがありますので、まずは医療機関を受診しましょう。

 

 

  • 腰椎椎間板ヘルニア・腰椎すべり症・坐骨神経痛への東葉コンディショニングの整体施術は、こちらをご覧ください。

 


◆症状を改善させるためにできること

病院で診断されても、シップや痛み止めを処方されるだけだったり、「もう少し様子を見ましょう」と帰されるケースも少なくありません。

 

だからといって何をすればいいのか、何もせずに放置していても大丈夫なのか、分からないことばかりで不安になりますよね。

 

背骨には本来、生理弯曲というカーブがあります。

 

 

腰椎椎間板ヘルニアや腰椎脊柱管狭窄症の方は、この生理弯曲が不足していることが特徴として挙げられます。

 

上の画像の黄色い部分が「腰椎」です。この腰椎の弯曲が不足していると、腰に必要以上の負荷がかかり、痛みや痺れなどの症状を引き起こしてしまうのです。

 

日常生活でついついしてしまうのが、座っているときの「背中を丸める」姿勢です。この姿勢は、腰への負担が大きく、腰椎椎間板ヘルニアの原因にもなります。

 

椅子、床など、座る場所によってちょっとした工夫をするだけで、腰への負担を少なくすることができます。

 

座り方について詳しくはコチラ↓

テレワークの方必見!腰痛を予防・改善させる椅子の座り方とは?

 

 

ただただ時間に身を任せるだけでは、今まで症状が出るようなカラダの使い方をしていたわけなので、悪化するリスクの方が高くなります。

 

少しでも症状を改善させるために、日常生活の中でできることをやっていきましょう。

 


◆腰痛を改善するためのストレッチ

腰部に弯曲をつけるためには、日頃からの姿勢はもちろん大切ですが、まずは腰背部の固くなった筋肉を弛ませなければなりません。そのために必要なのがストレッチです。

 

特に、入浴後は体温も上がり、筋肉が弛みやすくなっているのでおすすめです。

 

 

☑腰椎椎間板ヘルニアの方におすすめのストレッチはコチラ↓

【腰痛体操】腰椎椎間板ヘルニアの方に!整体師おすすめストレッチ

 

☑腰椎脊柱管狭窄症の方におすすめのストレッチ

・足組みゆらゆら骨盤矯正

・骨盤コロコロ体操

腰部に柔軟性を出し、腰への負担を減らすことが、腰痛や足の痺れを緩和・解消させる第一歩になります。ぜひお試しください。

 


◆まとめ

痛みや痺れなどの症状や、症状が出る場所は、人によって異なります。

 

一度病院で「異常なし」と言われたとしても、その後悪化したり、別の症状が出てきた場合は、再度受診することで診断されることもあります。

 

痛みがあること、痺れがあることに疑問を持ち、早急に対処することが早期回復の近道です。まずは姿勢など、生活習慣を見直してみましょう。

 

 

Writer

小橋悟

【資格】
・ 脳と身体の整体療法「QPR法上級認定」
・ ブレイン&ボディバランス研究所  会員
・ NPO法人日本心理カウンセラー協会 会員

子供の頃から母親のカラダの不調を見ていて、 施術家の道を志す。
現在は、月間約400回の施術をしながら、八千代院の院長を務めている。
ここまで磨き上げてきた施術技術・知識に加え、優しい人柄で、来院者さんからの信頼も厚い。
当社が開催するトップランナー整体実践塾やQPR法ベーシック講座、センターラインインソール資格取得セミナーなど、同業の治療家に対しての技術講師も担当している。
その功績を認められ書籍「腰痛解消!神の手を持つ12人 令和元年版」の1人に選ばれる。

   
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

よく読まれている記事