野球をする中で、ピッチャーは一番負担がかかるポジションです。
そのため現在の高校野球では、投げ過ぎによるピッチャーの故障を防止するために、球数制限やタイブレーク制を導入するなどの取り組みが行われています。
しかし、これはオーバーユースに対する対策であり、フォームの誤使用による対策ではありません。
実は、このピッチャーの故障リスクとなるフォームの誤使用には「猫背」が大きく関係している場合があります。
実際に、整体院東葉コンディショニングに来院されている方でも、猫背が原因で肘や肩、腰痛などの痛みを抱えている方が多くいらっしゃいます。
今回は、整体師として、猫背のピッチャーが故障しやすい原因と、猫背改善方法について説明していきたいと思います。
【目次】
◆猫背とは?
猫背とは、「背中が丸くなり、肩を前に巻き込んでいる姿勢」を指し、しばしば悪い姿勢の代表例としても扱われます。
「背中が丸まっているのであれば、顎を引いて背筋を伸ばせばよいのでは?」と考え、前に捻じれ込んだ肩を戻すために肩を後ろに引き、背中を反らすような姿勢をとったことはありませんか?
こうした動作は、縮まってしまった筋肉を伸ばすというストレッチが目的なら良いのですが、無理をしてその姿勢を持続しようとする方の中には、腰を痛めたり、首・肩こりが強まり頭痛まで出てしまったというケースもあります。
また、「姿勢を良くしなければ!」と、頑張って背中を伸ばしても、5分も保てない方がほとんどだと思います。
「意識的に無理をしなければできない姿勢」は、正しい姿勢ではないため、残念ながら無理をして頑張っても猫背の改善にはならないのです。
◆猫背のピッチャーが故障しやすい原因
野球では、打つ・投げる・走るといった動作がありますが、姿勢が悪いと関節が正しく動かせず、パフォーマンスの低下に繋がります。
これまで、整体師として多くの野球選手を診てきましたが、痛みを抱えるほとんどの選手が猫背などの悪い姿勢になっていました。
では、猫背はピッチングにどのように影響し、なぜ故障しやすいのでしょうか。
猫背のピッチャーが故障しやすい原因を3つ挙げて説明していきます。
《その1 腕が上がりにくくなる》
猫背姿勢だと、胸郭に沿って動く肩甲骨の動きが阻害されてしまいます。そのため腕が上がりにくくなり、投球に大きな悪影響を与えます。
腕を下した状態から30度までは、上腕の動きで上げられるのですが、そこから先は肩甲骨との共同運動がなければ上げることができません。
猫背のせいで肩甲骨の動きが悪くなってしまうと、それをカバーするために肘を曲げたり、身体を傾けたり、腕を上げるために他の部位に負担をかけることになります。
すると、肩甲骨、肩関節周りの筋肉がますます固くなって、肩甲骨の正常な動きを妨げてしまいます。
こうした状態で投球を続けると、肩甲骨だけでなく、そこをかばって使われた周囲の筋肉や軟骨、靭帯までダメージを負ってしまいます。
そのため、肩・肘の故障を防ぐには、猫背姿勢を正して肩甲骨の動きを正常化させることが重要になるのです。
《その2 胸郭の可動域(上半身をねじる動き)が狭まる》
背中を丸めた猫背姿勢を続けていると、胸椎カーブが強まり、胸郭や肋骨周辺の筋肉が固くなってしまいます。
こうした状態では、上半身のねじれを利用した動きが妨げられ、リリースポイントを前に出すことができずに、手投げになってしまいます。
腕だけの力での投球は、球威が落ちると同時に、肩・肘への負担も大きくなり、故障の原因となるのです。
同時に、本来ねじれの動きをしない腰椎の関節にも負担が掛かり、腰痛や腰椎の疲労骨折を引き起こす原因にもなります。
《その3 背骨の生理弯曲が崩れる》
背骨の生理弯曲(S字のゆるやかなカーブ)は、二足歩行の人間の身体をバランスよく支えるだけでなく、衝撃の吸収、負担の分散などの役割があります。
ところが、猫背姿勢は背骨の生理弯曲を崩し、背骨で身体を支えられなくなってしまうのです。
その結果、身体を支えるために必要以上に筋肉などを使い、大きくなった腰や背中への負担が、腰痛などの故障に繋がるのです。
ピッチャーの故障を防ぐ、東葉コンディショニングの猫背解消整体は、コチラをごらんください。
◆猫背の解消は故障の改善に繋がる!?
ここまでの話で、猫背は肩や肘、腰の故障に大きくかかわることが分かります。
ピッチャーの場合だと、1試合で100球前後ボールを投げますし、投球練習も頻繁に行うため、身体への負担の掛かり方は他のポジションと比べてかなり大きくなります。
ピッチャーが故障を防ぐためには、姿勢の改善を行い、正しい身体の動きを身につけて、肩や肘、腰への負担が掛からないようにすることが必要です。
猫背の改善により期待できる効果には、次のようなものがあります。
・身体のバランスが整い、身体に軸ができる。
・過度な負担の解消
・効率よく筋力を活用でき、関節の可動域が正常に保てる。
・血液やリンパ液などの体液の循環が促進され自然治癒力が向上する。
・身体全体のパフォーマンスが向上する。
これらを踏まえてみると、故障の予防だけでなく、野球のパフォーマンス向上させるためにも猫背を改善させることは、非常に重要だということがわかります。
◆猫背を改善させるには
ピッチャーの故障を防ぐために必要な猫背の改善。そのためには普段からの正しい「姿勢」と「身体のケア」が大切です。
ここで、猫背改善のポイントを二つ確認しましょう。
・普段の立ち・座り姿勢を改善!
猫背を改善させるためには、日常から姿勢に気を付けて歪みのない状態にすることが重要です。特に、立ち方、座り方が悪いと骨盤が歪み、背骨のS字のカーブが崩れ、猫背を引き起こします。
写真のように、机に伏せて寝たり、背中が丸まった状態でスマートフォンの操作や勉強をしていませんか?
このような身体を前かがみにした姿勢は、背中の筋肉が強く引っ張られる状態が続くので、猫背を引き起こす原因となるので注意しましょう。
身体のバランスを正しく保つ立ち方、座り方をご紹介しますので、動画を見ながら実践して、猫背を改善させていきましょう!
正しい立ち方
正しい座り方
・練習後の身体のケアを入念に行う
練習を一生懸命やることも重要ですが、その後の身体のケアを怠ってはいけません。
その日の疲れをなるべく残さないようにすることは、故障の予防にもなります。
特にピッチャーは投球が多いため、肩や肘の疲労に加えて、腕のねじれや巻き肩を起こして猫背になりやすくなってしまいます。
また、疲労を溜め続けてしまうと、肩甲骨の動きや肩・肘の関節の動きが悪くなってしまい、痛みを引き起こす原因にもなってしまいます。
身体の疲れを翌日に残さないようにするためには、「入浴」、「ストレッチ」を意識的に行っていくことが必要です。
39~40℃くらいの湯船に10分~15分程度浸かることで血液循環が良くなり、筋肉の緊張がほぐれ、溜まっていた疲労物質が流れるようになります。
身体を温めてくれることはもちろん、リラックス効果もあるので、しっかり疲れを取ることができます。
また、浮力によって身体にかかる重力が少なくなるため、関節などへの負担を減らすことができます。
入浴後、身体の芯から温まり、筋肉の固さがやわらいだ状態でストレッチができると、筋ポンプの働きにより、より筋肉に柔軟性が出てきます。
◆猫背改善整体ストレッチ
ここで、整体院東葉コンディショニングで教えている、自分でも簡単できる猫背矯正ストレッチ方法をご紹介します。
まず、ストレッチを始める前に、自分の姿勢のチェックをしてみましょう。
<姿勢チェック>
壁に背中をつけるように、真っ直ぐに立ちます。
壁にかかと、ふくらはぎ、おしり、肩、後頭部がついているか確認します。
猫背の人は頑張らないと、肩と後頭部が壁につきません。
また、腰痛の方の多くは、右側のように腰と壁のすき間が大きく空いてしまっています。
姿勢をチェックしたら、下記動画を見ながらストレッチしてみましょう。
〇整体院東葉コンディショニングで教えている「猫背改善整体ストレッチ」
猫背改善はもちろん、ピッチャーにとって重要な肩甲骨、胸郭、背骨の動きを調整することができるストレッチ4種類をピックアップしましたので、ぜひ行ってみてください!
・シムス位ストレッチ
・胸郭回旋ストレッチ
・四つん這い肩甲骨はがし
・肩甲骨寄せストレッチ
その他の整体ストレッチは、こちらからご覧いただけます。
https://toyoconditioning.com/stretch_00/
◆来院者の喜びの声
◆まとめ
プロ野球選手で姿勢が悪い方はおそらくいないだろうと思える程、一流のピッチャーは皆姿勢が良く、それはパフォーマンスにも現れています。
野球をやっている以上、故障は付きものかもしれません。しかし、予防・対策をしてリスクを下げることは可能です。
日常の生活に注意を払い、練習後のケアまでしっかり行い、故障しないように対策をとれるといいですね。
なかなか姿勢が改善されない、繰り返し痛みが出るという方は、整体施術を受けて身体の歪み調整を受けることをお勧めします。
整体院東葉コンディショニングには、野球経験豊富なスタッフが在籍しています。
根本的原因が解決されない限り、姿勢も痛みも改善されないままなので、そのような症状でお困りの方は一度整体院東葉コンディショニングにご相談ください。
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