空手競技者の方で、「カラダを上手く使う」ためのトレーニングを取り入れている方はどれくらいいるでしょうか。
技術を向上させるために、技を反復練習している方は多いと思いますが、その前に、カラダを正しく使えるようにすることが非常に重要になります。
そこで、空手競技者にはぜひ知っておいていただきたい、空手動作における股関節の重要性、股関節の可動域を整えるエクササイズについてお話します。
「なかなかうまくならない」とお悩みの方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
きっと役に立ちます。
〈目次〉
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◆空手動作と股関節の関係
空手の主な動作を一言で言ってしまえば、「突く」「蹴る」の2種類に分けられますが、その動作をするときに全身を連動させるために、最も重要になる部位が股関節です。
よく、突きを出すときに「腰を入れる」と耳にすると思いますが、実は、腰骨いわゆる腰椎は、骨格上ねじる動きはほとんどできません。
画像の赤い丸に囲われた部分を見るとわかるように、腰の部分の骨(腰椎)は、骨と骨が噛み合うように重なり合っているため、カラダを前に倒したり後ろに反らす動きをしますが、左右にねじる動きはほとんどできません。
では、「腰を入れる」と意識して動かしているときには、カラダのどこが動いているのでしょうか。
それが、股関節なのです。
股関節は、前後左右と様々な方向に動かすことができます。
しかし、日頃から足を組むクセがあったり、長時間片足重心で立っているなど、股関節をゆがませる姿勢やカラダの使い方をしていると、股関節の動かせる幅がどんどん狭くなってしまいます。
そのような状態がクセ付いてしまうと、突きを出す際に上手く股関節が回らず、いわゆる「手打ち」になってしまいます。
また、蹴りに関しても、股関節の動きが悪いと、蹴り足も限られた範囲でしか動かすことができず、軸足も上手く返すことができなくなってしまいます。
そのため、股関節の動きが悪いと、いくら突きや蹴りを強くしようと反復練習をしていても、なかなか向上させることは難しくなってしまうのです。
◆股関節を整えるトレーニング
ではここで、股関節を整えて、正しく動かせるようになるトレーニングを初級・中級・上級の、3つのレベル別に紹介します。
・初級編
この動画で紹介してるトレーニングは、初級編ということで空手初心者の方のように、まだ上手く突きや蹴りを出せない、体が硬いという方でも、簡単にできるものになっています。
・中級編
この動画で紹介しているトレーニングは、中級編ということで、特に上段の蹴りを出すときの股関節の使い方や、正しく股関節を使う方法を紹介しています。
より蹴りのスピードや威力をアップしたい、技をキレイに出したいという方にオススメです。
・上級編
この動画で紹介しているトレーニングは、上級編ということで、後ろ回し蹴りや縦蹴り、内回し蹴りなど、股関節を複雑に動かす蹴りを上達させるための内容になっています。
試合で効かす技を身に付けたいという方にオススメです。
◆股関節を整え、効率よく空手の技術を向上
突きでも蹴りでも、空手の動作時にカラダを上手く使うためには、ただ技の練習を反復練習するのではなく、股関節を正しく使えるようにするトレーニングを取り入れることが大切です。
言い換えれば、股関節を正しく使えない状態で、突きや蹴りの練習を反復的に行っていても、技術やパワー、キレが上達しないどころか、怪我の原因にもなる恐れがあります。
ある程度までは上達しても、ある段階からなかなか上達しないとお悩みの方は特に、今回紹介したトレーニングを、稽古の前後にでも取り入れてみてください。
きっと、今まで以上に効率よく上達させることができると思います。
また、今回のトレーニングは、組み手の選手でも、型の選手でも、空手競技者なら誰にでも取り入れて欲しい内容になっています。
最後になりますが、元空手競技者でもあり、現在整体師である私も
「現役選手の頃にカラダを正しく使う。という意識ができていたらな……」
とつくづく思います。
ぜひ、ご自身のレベルアップにお役立てください。