「時間が無い」「面倒くさい」などの理由で、お風呂をシャワーで済ませていませんか?
特に、夏場や一人暮らしの方は、入浴する機会が少ないのではないでしょうか。
入浴の目的は、第一に身体の清潔を保つことですが、実はお風呂に入ることが腰痛の予防・改善にもなるのをご存知でしたか?健康のために、温泉に行くという人もいるくらいです。
でも、腰痛がある時は温めていいものなのか、不安な方も多いと思います。腰痛の方、腰に疲労を覚えている方はもちろん、腰痛がない方も、予防・改善の第一歩として是非ご覧ください。
【目次】
◆腰痛って温めてもいいの?
「腰痛を和らげるためにお風呂に入る」という方もいますが、入浴することで逆に腰痛を悪化させてしまう場合もあります。では、どんな腰痛ならお風呂に入るべきなのか、または入ってはいけないのかを説明していきます。
お風呂に入ってはいけない腰痛
腰痛の中でも急性痛や、強い痛みや炎症を起こしているような時は、お風呂に入ってはいけません。
捻挫や打撲をしたときなどによくみられる、発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害の5つの徴候がある場合は、アイシングで局部を冷やし、炎症を最小限に抑えます。
こうした炎症が腰に起こっていた場合、お風呂に入って温まると炎症を促進させ、痛みが強くなってしまいます。お風呂に入ると痛む場合は、入浴は控えましょう。
特に痛みが強い場合は、まずアイシングで炎症を抑える必要があります。動くのも辛いほどの痛みがあるときは、安静にしてシャワーも控えた方が良い場合があります。
お風呂に入って良い腰痛
筋肉疲労やストレス、冷えによる慢性腰痛の場合は、入浴による腰痛の改善が期待できます。
座っていると痛くなってくる、立ちっぱなしでいるとジワジワ痛くなってくる、車の運転後に腰が痛むなどのケースの多くは、筋肉が硬くなっていることで血行不良を起こし、痛みを出しています。
まずは、その筋肉の固さを取ることが必要なため、湯船にゆっくり浸かって温めると良いでしょう。
◆入浴の効果とは?
では、お風呂には身体の清潔を保つ以外に、どのような健康に繋がる効果があるのでしょうか。
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1.温熱効果
湯船に浸かって身体が温まると、血管が広がり血行が良くなるため、凝り固まった筋肉がほぐされます。
また、血行が良くなり疲労物質が取り除かれることで、腰痛を始めとする身体の不調の予防・改善の効果が上がります。
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2.浮力効果
人間は、陸上では常に重力による負荷を受けていますが、お湯の中では浮力が発生するため、身体にかかっている重力が減少します。そのため、背骨や腰背部にかかる負荷が軽減し、日頃身体を支えている関節や筋肉を休ませることもできます。
3.静水圧効果
人が水の中に入ったとき、身体にかかる水の圧力のことをいいます。
お湯に浸かると、身体の奥まで水圧がかかり、その圧力によって血液やリンパの流れが良くなります。
これらの入浴効果を踏まえて、目的に応じたお風呂の入り方をすることが、様々な問題の解消や健康な体づくりに繋がります。
◆目的別に入浴法を変えて、より健康的に!
お風呂の入り方を変えることで、腰痛の原因となる不調を改善し、健康的な体にしていきましょう。
<ストレス解消>
あなたのお風呂の好みは、熱いお湯派ですか?それともぬるいお湯派ですか?
実は、お湯の温度で効果がまったく異なります。
活動時には交感神経が、休息時には副交感神経が、それぞれバランスよく働くことで、体の健康を保っています。
ぬるめのお湯は、脳内の副交感神経を刺激し、体をリラックスさせてくれます。緊張がほぐれることで心身が休まり、疲労回復に繋がります。
心身ともに休息させてリラックスしたいときは、夏ならば38℃前後、冬なら40℃前後のややぬるめの湯にじっくり浸かりましょう。
夜に入浴するときは、副交感神経を優位にすると寝つきが良くなるので、体を休ませるためにもぬるめのお湯がオススメです。
反対に、42℃以上の熱いお湯は、活動時に働く交感神経を優位にします。
熱いお湯は、心臓の鼓動を高め、血の巡りを活発にするため、エネルギッシュになりたいときに効果的です。「これから仕事」という時などには、熱いお風呂に入ると良いでしょう。
<腰痛・冷え対策>
冷え症は、血行が滞り、手や足の血管に血液がきちんと行き届かなくなることで起こります。冷え症の人におすすめの入浴法は、ぬるめのお湯にゆっくり浸かることです。血管が拡張して血行が促され、全身が効率よく温まります。
「冷えたから熱いお湯につかりたい」と思うかもしれませんが、熱いお湯では短時間しか入っていられないため、身体の芯まで温まりません。
38~40℃ぐらいのぬるめのお湯ならゆっくり浸かることができるため、体がしっかり温まります。全身浴で10分以上浸かるのがオススメですが、半身浴なら20分以上を目標に浸かってみてください。
入浴後、1時間ほどで体温が下がってくるので、夜更かしをせず、体が冷える前にベッドに入るようにしましょう。
「今日はお風呂に入る時間がない」というときは、足湯で温まりましょう。深めの洗面器などに両足を入れ、足首が入るくらいまで40℃くらいのお湯をはり、10分程度つけます。
ずっと入れているだけでは冷めてきてしまうので、熱湯を入れたポットなどを用意しておき、ときどき注ぎ足すと、お湯の温度をキープできます。
冷えも腰痛の原因となりますので、腰痛の予防・改善のためにも、しっかり身体を温めましょう。
◆腰痛の予防・改善に効果的なお風呂の入り方
上記で紹介した冷え対策と同様に、ぬるめのお湯に浸かりましょう。
熱いお湯は身体にストレスを与えるため、却って疲れが出てしまい、逆効果になってしまうこともあります。
「健康のために熱いお湯に入るのが習慣」という方もいらっしゃいますが、痛みがあるときは、腰痛に効果的な入浴を優先しましょう。
中には、湯船に浸かるのが嫌いという方もいらっしゃいますが、そのような場合は無理してゆっくり浸かる必要はありません。まずは5分から始め、10分15分と徐々に入浴時間を延ばしていきましょう。
皆さんが習慣としているお風呂ですが、腰痛改善を始めとする健康づくりの手段の1つでもあります。
湯船に浸かってリラックスタイムを満喫しながら、腰痛対策していきましょう。
また、入浴後、筋肉がほぐれた状態でストレッチをすると、より効果的に筋肉を緩ませることができます。
腰痛予防・改善のストレッチはコチラ↓
入浴とストレッチで、腰痛のない健康な毎日を送りましょう。
Writer
小橋 悟
【資格】
・ 脳と身体の整体療法「QPR法上級認定」
・ ブレイン&ボディバランス研究所 会員
・ NPO法人日本心理カウンセラー協会 会員
子供の頃から母親のカラダの不調を見ていて、 施術家の道を志す。
現在は、月間約400回の施術をしながら、八千代院の院長を務めている。
ここまで磨き上げてきた施術技術・知識に加え、優しい人柄で、来院者さんからの信頼も厚い。
当社が開催するトップランナー整体実践塾やQPR法ベーシック講座、センターラインインソール資格取得セミナーなど、同業の治療家に対しての技術講師も担当している。
その功績を認められ書籍「腰痛解消!神の手を持つ12人 令和元年版」の1人に選ばれる。