原因不明の腰痛は筋肉が原因だった!

病院へ行っても、痛いのに「異常ありません」と言われてしまう、原因不明の腰痛。

痛み止めと湿布だけ処方されて、どうしたらいいのかわからない……なんて経験はありませんか?

 

実は、原因不明の腰痛の多くは、骨ではなく筋肉に原因がある場合が多いんです。

今回は、筋肉に原因がある腰痛についてご紹介していきます。

 

【目次】


 

◆原因不明の腰痛とは?

腰痛になった時に最初に行くのが整形外科だと思いますが、そこで原因不明だなんてことなんて本当にあるのでしょうか?

患者側としては、原因がわかれば対処の方法があると思うのが当然ですよね。

 

しかし、なんと腰痛の85%が原因不明というのが現実です。

 

「最新のMRIやCTを使っても、原因不明ってどういうこと?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

でも、人のカラダは複雑ですので、一般的な症状や疾患の多くは現代医学では正体を把握出来ていないのが実情です。

 

腰痛はその代表的なもので、根本的なメカニズムをつかもうと世界中で色々な研究が行われているところなのです。

 

では、お医者さんはどういった腰痛を「原因不明」としているのでしょうか。

これには、日本の整形外科の先生が拠り所とする「腰痛ガイドライン2012」というものが関係しています。

 

 

ガイドラインによると、腰痛は2つのカテゴリーに分かれています。

 

  • ① 特異的腰痛

椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎分離すべり症、腰椎変性すべり症のように、レントゲン検査やMRI検査、血液検査などによって、腰痛の原因を突き止める事が可能なもの

 

 

  • ② 非特異的腰痛

各種検査機器で調べてもその腰痛の原因が分からないもの。

そして、驚くことに原因がわかる特異的腰痛は全体の僅か15%で、85%の腰痛は原因不明なのです。

 

 

診断は問診(話を聞く)だけでなく、諸々の検査結果を参考にしたうえで下されますが、実はレントゲンやMRI、CTなどの検査機が使われない事も少なくありません。

 

機器を使った検査は身体への負担もお金もかかるため、ガイドラインでも、医者が特に必要と感じられない時は、こうした検査は行わなくてよいとされているのです。

 

その結果、ほとんどの腰痛の原因がレントゲンやMRIで確認できる骨ではないため、全体の8割の腰痛は原因不明ということになるのです。


 

◆筋肉が原因の腰痛

では、筋肉が腰痛の原因になるとはどういうことでしょうか?

 

座っていると痛みが出てくる腰痛、前かがみをすると痛いなど、腰痛と一言で言っても痛い場所、動作は様々です。

 

筋肉の痛みの特徴としては、

・緊急性が低いため鈍い痛み

・場所がはっきりしない痛み

・障害部位とは別の場所に関連痛を起こす

などが挙げられます。

 

多くの場合、筋肉が硬くなることで腰痛が発生します。

 

ではなぜ硬くなるのか、それは仕事内容や日常生活が大きく影響してきます。

 

例えば、

(仕事内容)

・デスクワークやドライバーなど、座っている時間が長い

・パソコン作業の時間が長く、気付いたら覗き込むような姿勢になっている

・アパレル販売員など、常に立っている

・工場で重たいものを運んだり下ろしたりする

 

(日常生活)

・足を組んでイスに座る

・横座りで洗濯物を畳んだりする

・ベッドにうつ伏せの状態でスマホを操作する

・横になり肩肘をついて頭を支えた姿勢でテレビを見る

 

など、長時間同じ姿勢や動きを繰り返すことで、使われる筋肉と使われない筋肉が出てきてしまい、次第に体にゆがみが生じてしまうのです。

 

筋肉は本来、弛緩・収縮することで身体は様々な動作ができるのですが、同じ筋肉ばかりを使っているとは体にとって大きな負担になります。

 

筋肉には、強い衝撃を受けたときや継続的な負荷がかかると、筋肉や骨を損傷から守るために反射的に収縮します。これは伸張反射と呼ばれるもので「縮んで守れ」という信号を出して筋肉を拘縮させる機能が備わっています。これが繰り返されると拘縮する筋肉が広がり、痛みや不調が現れはじめます。

 

さらに、拘縮した筋肉は毛細血管を圧迫するので血流を悪化させます。血流が悪化すると酸素不足を引き起こし、痛みを感じさせる化学物質の「ブラジキニン」が分泌されます。

 

そもそも痛みというのは、体が危険に冒されたことを知らせる警報装置(急性痛)であり、無意識に危険から逃れようとする緊急回避装置のスイッチでもあります。

 

痛みは、身体を守るために大切なシステムなのです。

 

 

◆筋肉が動く仕組み

腕や足など、それぞれの筋肉がしっかり動くことで体を動かすことが可能になります。

 

例えば、肘を曲げる動作では、Aの筋肉が収縮し、対になるBの筋肉が伸張します。逆に肘を伸ばすときは、Aの筋肉が伸張しBの筋肉が収縮します。

 

どちらか一方の筋肉が拘縮し硬くなるだけでも、筋肉の動きが十分に発揮されず、ともに動く関節の動きも阻害されるため、筋肉だけでなく関節に痛みが生じる場合があります。

 

これを腰に置き換えると、腰背部の筋肉が拘縮し硬くなっている場合遂になる腹部の筋肉も動きが悪くなります。

その状態で腰を反らしたり、ひねったりすると、筋肉の伸縮方向や範囲が狭まり、その分を背骨がカバーしなければならず、背骨に大きな負担がかかります。

 

急な腰痛も根本的な原因をたどっていくと、普段の身体の使い方によるものだったりします。

 

「痛みがなくなった」で終わらせるのではなく、その後の腰痛を予防する方向にシフトしていくことが、腰痛の再発・慢性化を防ぐことにつながるのですね。


 

◆腰痛を改善するために

原因不明と言われる85%の腰痛の主な原因は、【筋肉の硬さ】です。

改善・予防するためには、生活習慣の見直しも大切です。ちょっとしたことでもその積み重ねが腰痛改善に繋がります。

 

今日からできることはお風呂です。シャワーで済まさず、毎日湯船に浸かることも原因不明と言われる腰痛の解消にはオススメです。

 

筋肉の過緊張や拘縮による血流の悪さから痛みが出ている場合は、しっかりと湯船に浸かることで血液循環が良くなり、溜まっていた疲労物質が流れるようになります。

 

39~40℃くらいのお風呂に10分~15分浸かることで、筋肉の緊張がほぐれてきます。

 

疲れや痛みを次の日に残さないようにするためにも、しっかりお風呂に入る習慣を付けることが、原因不明と言われる慢性的な腰痛対策の大きなポイントです。

 

筋肉の硬さがやわらいだ状態でストレッチができると、より腰痛改善・予防に繋がります。

自宅で簡単にできるセルフストレッチをご紹介しますので、お風呂上りにぜひ実践してみてください。

 

 

 

  • ●【セルフ整体】たった3分で腰の痛みが和らぐ魔法のエクササイズ

※注意 痛みのない範囲で行うようにしてください。

 

腰痛の緩和方法についてさらに知りたい方はコチラへ↓

腰痛を緩和させる方法とは?原因と改善方法

 


 

◆まとめ

病院へ行っても「原因不明」「異常なし」と言われると、やはり不安ですよね。

 

筋肉も腰痛の原因の1つであることを知っているだけでも、いざというときに対処できます。入浴もストレッチも今日からできることです。

 

ちょっとしたことから積み重ねていって、原因不明と言われてしまう腰痛を改善・予防していきましょう。

Writer

小橋 悟

【資格】
・ 脳と身体の整体療法「QPR法上級認定」
・ ブレイン&ボディバランス研究所  会員
・ NPO法人日本心理カウンセラー協会 会員

子供の頃から母親のカラダの不調を見ていて、 施術家の道を志す。
現在は、月間約400回の施術をしながら、八千代院の院長を務めている。

ここまで磨き上げてきた施術技術・知識に加え、優しい人柄で、来院者さんからの信頼も厚い。

当社が開催するトップランナー整体実践塾やQPR法ベーシック講座、センターラインインソール資格取得セミナーなど、同業の治療家に対しての技術講師も担当している。

その功績を認められ書籍「腰痛解消!神の手を持つ12人 令和元年版」の1人に選ばれる。

   
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