「起立性調節障害」という言葉を聞いたことはありますか?
起立性調節障害は自律神経機能不全のうち、思春期で最も起こりやすいものの一つであり、小中学生の発症率は約5~10%にもなります。
立ち上がった時のめまいや立ちくらみなど、命に関わるような症状ではありませんが、重症化すれば、日常生活にも影響を及ぼします。
ではなぜ、起立性調節障害を発症するのでしょうか?ここでは代表的な症状である「めまい」の原因と予防・解消法について記していきます。
【目次】
◆起立性調節障害とは
起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)とは、自律神経失調症の一種です。
10歳から16歳に多く発症しているこの病気は、主に「起立や座位で脳血流が減少し、思考力と判断力が低下する症状」と定義されており、日本の小学生の5%、中学生の約10%が起立性調節障害だと言われています。
思春期が始まるこの頃、体の成長に自律神経の発達がついていけないと、心身共に非常に不安定な状態になってしまいます。
精神的な問題が起きる機会は多くありますが、この時期の子どもたちにはそれを解決する力がまだ不十分です。
学校や家庭でのストレスなどを解消できずにいると、自律神経が乱れ、立ち眩み・めまい・頭痛といった症状につながり、起立性調節障害を引き起こしてしまうのです。
起立性調節障害の特徴として以下の症状が挙げられます。
1.立ちくらみ、めまいを起こしやすい。
2.立っていると気分が悪くなり、ひどいと倒れてしまう。
3.入浴中や入浴後に気分が悪くなる。
4.少し動くと、動悸や息切れがする。
5.朝なかなか起きられず、午前中は調子が悪い。
このような症状が出ていても、一般的な診断や血液検査で異常がなければ、起立性調節障害と診断されます。
◆めまいはなぜ起きるのか<
人間には、視覚・深部感覚刺激(足裏)・前庭器(耳)の3か所にバランスをとるための「平衡機能」があります。
特に前庭器は、平衡感覚を維持するために、最も重要な情報を感知している部分です。その中にある三半規管は、頭や体の動き・回転速度を小脳に伝えていますが、両耳にある三半規管に左右差が生じると、平衡感覚が狂いめまいが起こるのです。
また、思春期は交感神経の働きが活発です。そのため血管や筋肉の収縮が促され、三半規管を含む全身の血流が悪くなりますが、これもめまいを引き起こす原因の1つです。
その他にも過労や睡眠不足、緊張状態や精神的なストレスなどが続くと自律神経が乱れやすくなり、フワフワまたはクラクラするなどのめまいが起こることがあります。
起立性調節障害によるめまいの発症は、立ち上がり時だけに限りません。突然起こっても不思議ではありませんので、冷静になることが大切です。
慌ててしまうと症状の悪化だけでなく、思わぬ事故に繋がりかねません。落ち着いて、座れる場所や横になれる場所に移動し、ゆっくり深呼吸しましょう。
◆起立性調節障害に対する一般的な治療法
起立性調節障害の治療は、症状や検査結果によって変わりますが、主に以下の療法の中からいくつかを組み合わせて行われます。
1.一般療法
生活のリズムを整えるため、早寝早起き、散歩などの軽い運動、起きる時の姿勢、食事の時間など、日常生活の中で改善出来るポイントをアドバイスします。
2.非薬物療法
<装具を活用する>
下半身に血液が溜まることを防ぎ、循環機能を手助けするために、下半身を圧迫する装具を活用することがあります。装具には、加圧式腹部バンドや圧迫ソックス、弾性ストッキングなどがあります。
3.薬物療法
薬物療法では昇圧剤などが用いられ、主に次の薬が使われます。
・塩酸ミドドリン
昇圧剤です。起立直後性低血圧、体位性頻脈症候群で使われます。
・プロプラノロール
高血圧や不整脈の薬として使われる、心臓を保護する薬です。
・メシル酸ジヒドロエルゴタミン
自覚症状の緩和に用いられます。塩酸ミドドリンで効果が得られなかった場合、起立直後性低血圧に使われます。
・メチル硫酸アメジウム
交感神経を活発化させる昇圧剤です。塩酸ミドドリンで効果が得られなかったサブタイプの起立直後性低血圧に使われます。
◆起立性調節障害の改善方法
起立性調節障害の発症・再発には生活習慣の乱れが大きく影響しています。特に夜ふかしが続くと自律神経系のバランスが崩れるので、夜はしっかりと眠り、規則正しい生活を心がけることが大切です。
~起立性調節障改善のポイント~
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睡眠
寝不足は確実にめまいを誘発します。自分にとって必要な睡眠時間や、起床しやすい時間を見つけましょう。
成長ホルモンが分泌されやすい睡眠のゴールデンタイム(22時~翌2時)を含む、22時~翌5時までを、途中で起きることなく眠れるのが理想です。
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食事
一日に作られるエネルギーの8割は食べたものの消化に使われる程、食事はものすごく体に負担を掛ける行為です。動物性の食品(肉・牛乳・ヨーグルト)をなるべく避け、野菜を中心としたバランスの良い食事を心掛けましょう。
また、消化活動中には自律神経が活性化します。特に夜中や寝る前の飲食は睡眠の妨げとなるので避けましょう。
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入浴
湯船に15分程度浸かる事で、筋肉が弛緩し細部の血管にまで血液が送られます。
循環機能が改善されることにより、血行促進だけでなく、精神的な疲れも和らげます。
*湯船から急に立ち上がると、立ちくらみを起こすことがあるので、ゆっくりとした動作を心掛けましょう。
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運動
めまいに悩まされている方は、外で運動することに不安があると思います。しかし、適度な運動は血流を促進し、めまいの軽減や発症回数の減少といった効果が期待できます。
運動は気分転換にもなりますので、無理をせず自分のペースで行えるスポーツを取り入れましょう。
ストレスも起立性調節障害の大きな要因となります。病気で苦しんでいることを理解し、頑張っているところを評価することは、本人の心の負担を減らし充実した生活を送れるようにするために必要なサポートです。周囲で協力し、見守っていきしょう。
◆起立性調節障害に対する整体院東葉コンディショニングの施術法
整体院東葉コンディショニングでは、カラダのバランスの崩れや頸椎周辺の筋緊張によって乱れた呼吸が、慢性的な酸素不足を誘発し、自然治癒力を低下させ、自律神経失調症を引き起こすと考えています。
そこで当院では、独自の整体技術でこうしたカラダの状態を改善に導きます。優しくゆらす刺激はカラダと脳に安心感を与えます。全身の歪みが整い、筋緊張が緩まると、呼吸が深くなり血流も良くなります。
また、唯一自律神経をコントロールする方法と言われている「呼吸」は、交感神経優位の緊張状態では浅く、逆にリラックスしている時は深くなります。
深い呼吸は、横隔膜を大きく動かして自律神経を刺激します。すると副交感神経の活性化が促され、睡眠や排泄に関わる働きが整ってくるのです。
施術方法の一例
- 脊柱の生理彎曲の正常化
- 背骨は、体重の10%といわれる頭の重さを支えています。その頭の重さを支えているのが、脊柱の生理弯曲と言われるS字カーブの構造です。
- 自律神経はこの背骨を中心として全身に張り巡らされています。自律神経の機能改善にはまず背骨の正しい弯曲が必要なのです。施術では、脊柱の生理弯曲の正常化を図るため、写真のように施術台に上半身の半分程度が乗るように四つん這いの姿勢になってもらいます。
- 四つ這いの姿勢をとることで内臓から骨盤に掛かる圧迫を一時的に緩和することができ、骨盤周りの調整や生理弯曲の形成が行いやすくなります。
この姿勢では体の前側に重力が掛かるため、後弯していた腰部脊柱が徐々に前弯を取り戻し、元の自然なS字カーブが形成されていきます。
- 骨盤調整
うつぶせで脚を開いた状態にし、骨盤をゆっくり揺らしていきます。左右同じようにおこなうことで、骨盤のゆがみが整えられていきます。この手法で、骨盤のゆがみを整え背骨の動きを改善し、さらに腰背部の筋肉の緊張をとっていきます。
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頚椎調整
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頭部は、神経系の中枢である脳やさまざまな感覚器官が集中した、人体の中でもとりわけ発達した器官です。
自律神経の乱れにより、呼吸に同期して動いている頭蓋骨の運動が制限されると、中枢の脳の働きが低下し、起立性調節障害を起こしやすくなります。それを解消するため、頭蓋骨の圧迫や硬直を調整していきます。
また、東葉コンディショニングでは自律神経のバランスを崩している方に、波動セラピーもオススメしています。波動セラピーでは、特殊な機械で身体の各器官や細胞がもつ周波数を調べ、望ましい状態にズレを調整し、身体が本来持っている自然治癒力をサポートします。
独自の整体技術による身体バランス調整と、波動セラピーによる波動調整、この2つを合わせ身体の内外からアプローチをしていくことが、自律神経のバランスを早期に改善されていく方が多い理由です。
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- 整体院東葉コンディショニングの、起立性調節障害に対する考え方や施術の仕方についてお伝えしてきましたが、いかがでしたか?
- なかなか症状が改善しないと不安が募ります。一人でお悩みにならずに、是非一度施術実績が豊富な当院にご相談頂ければと思います。