野球では、打つ、投げる、捕るなどの基本動作の中で、手首を非常に多く使うため手首を痛める選手が多いです。
今回はその中でもバットスイング時になぜ、手首が痛くなるのかについて書いていきます。
こちらのYou Tube動画で、野球選手のケガ問題と解消方法について、わかりやすく説明してあります。
ぜひご覧ください!
【目次】
◆バットスイングで手首が痛くなる理由
腱鞘炎は、バットスイング等、日々の反復練習による筋肉の使いすぎにより、回復が追いつかずに筋肉や腱に痛みが出る、オーバーユース(使いすぎ)で起こることがほとんどです。
徐々に痛みが進行していくので、最初は我慢して練習してしまっていることが多く、その結果、骨折や肉離れなど症状が重くなり、復帰までに時間がかかってしまう選手も多くいます。
痛みが出たときは、無理せず練習を控えるようにしましょう。
腱鞘炎の詳しい内容はこちらから!
2つ目がTFCC損傷です。
TFCCとは、小指側の手首の付け根ののことで、橈尺靭帯と三角線維軟骨で形成されています。
TFCCは手関節の尺骨側(小指側)を安定させ、手をついた時の衝撃を和らげるクッションの役割があります。
バットスイングでTFCC損傷が起こる場合は、腱鞘炎のように繰り返しの練習で起こるのではなく、突然1回のスイングで起こることがほとんどです。
例えば予想していない変化球がきて、それに対応しようとスイング時に、普段とは違った手首の使い方をした時に起こります。
TFCC損傷など手関節のケガは、手関節周りの血流が乏しく、なかなか痛みが軽減せず、治癒に時間がかかりやすいといった特徴があります。
3つ目は有鈎骨骨折(ゆうこうこつ)です。有鈎骨骨折とは、バットスイングの際に手のひらに大きな負荷がかかり、手根骨の1つである有鈎骨(下図)が骨折してしまいます。
有鈎骨骨折の特徴として、競技者のレベルが上がると起きやすく、小・中学生ではあまり起きにくいといった特徴があります。
プロ野球選手でも、2019年には日ハムの清宮幸太郎選手がファールを打った時に有鈎骨を骨折しています。
過去には巨人の原選手や日ハム時代の中田選手も経験しているケガです。
有鈎骨骨折もTFCC損傷と同様に突然1回のスイングで起こることがほとんどです。
素振りなどの繰り返しの練習で、手首が痛くなった場合は、腱鞘炎の可能性が高いので、すぐにアイシングをして患部の炎症を抑えるようにしてください。
また、プレーできないほどではないが、痛みが慢性的に続くときは、練習後のアイシングやお風呂上がりのセルフケアをしっかり行うようにしましょう。
TFCC損傷や有鈎骨骨折のように、ピンポイントで痛みが出た場合や、1回のスイングで突然痛みが出たときは、骨折や靭帯を痛めている可能性があります。すぐに医療機関を受診して、先生の指示に従うようにしましょう。
では、このようなケガのリスクを下げるためには、どうすれば良いのでしょうか?
◆手首の痛みの予防・改善(ストレッチ動画付き)
手首の痛みを予防するためには、ストレッチなどのセルフケアをして、筋肉の柔軟性を高めておくことが不可欠です。
野球では、投げる・打つ・捕るなど、多くの場面で手首を使っています。
それに加え、キャッチボールや素振りで繰り返し手首を使うことにより、肩から手にかけての筋肉が硬くなりやすいスポーツなのです。
練習はたくさんするけど、ケアはほとんどしないということが、長い間続くと筋肉は硬くなり、機能性がどんどん低下していき、ケガの原因になります。
そこで今回は、手首のケガを防ぐためのセルフケアとして2つのストレッチを紹介します。
ゆがみ調整エクササイズ 腕・手首・指調整編
今回紹介した3つのケガを予防するのに、効果的なストレッチです。
毎日コツコツ続けることで、ケガのリスクがグンと下がります!
ゆがみ解消エクササイズ 肩甲骨調整編
野球選手の投げる・打つ・捕る動作において重要なのが、肩甲骨が柔軟に動くかということです。
紹介したストレッチで、柔軟な肩甲骨を手に入れましょう!
紹介したストレッチやセルフケアをしていても、スポーツにケガはつきものです!
もし、練習中や試合中に手首を痛めてしまった時は、応急処置として「RICE処置」を行ってください!
RICE処置とは、肉離れや打撲、捻挫など、外傷を受けた時の応急処置です。
RICEは、Rest(安静)Icing(冷却) Compression(圧迫)Elevation(挙上)の4つの処置の頭文字から名付けられました。
早期にRICE処置を行うことで、内出血や腫れ、痛みを抑え、回復を助ける効果があります。
今回は、野球選手に起こりやすいケガと、その予防・改善方法について書きました。
これらを行っても、なかなか手首の痛みが改善せれないという方がいましたら、当院へお気軽にご相談ください。