寒い季節や夏場クーラーにあたりすぎて、腰をはじめ体が「冷えたかなぁ」と思うことありませんか?
多くの人が経験している腰痛には、実は「冷え」が大きく関係しています。特に、「お風呂に入ると腰痛が楽になる」という方は、冷えが原因の腰痛である可能性が高く、冷えると悪化することが考えられるのです。
ではなぜ、冷えで腰痛が悪化するのでしょうか。その原因と対策をご紹介していきますので、ぜひご参考にしてください。
【目次】
◆なぜ冷えると腰痛が起こるの?
「冷えると腰痛が起きる」方は、血行不良である場合が多くあります。
人間を含めた多くの恒温動物は、一定の体温を保とうとするため、寒いと体温低下を防ぐために筋肉を拘縮させたり、震えることで体温を上げようとします。
これは本能的な働きですが、さすがに長時間続いてしまうと、筋肉には疲労が溜まります。疲労が溜まり過ぎると筋肉の固さが増し、血行不良を引き起こすのです。
腰痛と血流について詳しくはコチラ↓
血行の悪さに影響を与えるのは、筋肉の固さだけではありません。
実は、血管は体温を一定に保つために環境に応じて太さを変え、血流量をコントロールしているのです。
暑いときは、体の表面に近い細い血管を大きく広げて、血液を多く流して熱を効率的に身体の外へ逃がします。
逆に、寒いときにはこの血管を縮めて、血管内を流れる血液を減らすことにより、できるだけ熱が身体の外へ逃げないようにしているのです。
「筋肉の疲労→筋肉が硬くなる→血行不良→冷える→筋肉が硬くなる→……」という悪循環が出来てしまうと、ただでさえ疲労で硬くなった筋肉が、さらに冷えによって硬さを増してしまうため、体を動かした際に痛みが出るなど、腰痛が悪化してもおかしくありません。
また、筋肉には伸び縮みすることで心臓に血液を送る、「筋ポンプ」の役割もあります。その筋肉が硬くなり、ポンプの働きを充分に果たせなくなると、全身の血流も滞りやすくなってしまうのです。
腰痛になる人の多くは、仕事や自宅で座りっぱなし、立ちっぱなしの生活をしています。私たちは、常に重力の影響を受けているので、いくら楽な姿勢でも、長時間同じ姿勢を続けていると、体の同じ部分にずっと負担がかかってしまいます。
ただ単に冷えただけなら、腰痛を引き起こす可能性はそれほど高くはありませんが、日頃の疲労の蓄積などの「+α」が多いほど、痛みを生じやすくさせるのです。
◆冷えが原因の腰痛対策
腰痛の原因が冷えである場合は、日頃から冷え対策をすることが大切です。
腰痛悪化を防ぐ、具体的な対策を見てみましょう。
1.入浴
汗をかくからと、シャワーで済ませてしまう方も多いのですが、1年を通して湯船に浸かることをオススメします。
39~40℃のお湯に、約15~20分浸かりましょう。
体を温めてくれるのはもちろんのこと、リラックス効果もあるので、より筋肉の硬さが取れやすくなります。
また、浮力によって身体にかかる重力が少なくなるため、関節などへの負荷を減らすことができます。
*長い間入っているのが苦手な方は、できる範囲でかまいません。
2.ストレッチ
入浴で筋肉の硬さをとったら、お風呂上りにストレッチをしましょう。
身体が芯から温まった状態では、筋肉に柔軟性が生まれ、筋ポンプのはたらきにより、さらに血行が良くなります。
座り仕事や立ち仕事の方は、長時間同じ姿勢でいることが多いため、定期的に身体を動かすように意識することが大切です。
座りながらできるストレッチもありますので、仕事の合間にぜひやってみましょう。
ストレッチについて詳しくはコチラ↓
https://toyoconditioning.com/stretch_00/
3.睡眠
できるだけ日をまたぐ前に、ベッドに入りましょう。6~8時間睡眠をとれるのが理想といわれていますが、朝スッキリと起きられるのであれば、睡眠時間にこだわる必要はありません。
ただ、生活リズムが整っていると、体へのストレスが少なくなるため、毎日決まった時間に起きることがオススメです。
また、睡眠前にスマートフォンを操作すると、光で興奮して寝つきにくくなってしまいますので、就寝前の使用は控えましょう。
◆身体の冷え対策
身体を冷やしたくないけどどうしたらいいかわからない方は、こちらの方法を試してみてください。
人によって適した方法が異なるので、まずは試してみることをおすすめします。
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服装
洋服には保温効果があるため、血管が皮膚表面にある部分や、外気との接地面積が大きい皮膚を洋服で覆うことで、身体の熱が放出されないため身体が暖かくなります。
特に、血管が皮膚表面にある首元や内もも、足首などを覆うと身体が暖かくなります。これは、自分の体温を外に逃がさないための工夫です。
手首まで覆う長めの手袋や、ネックウォーマー、レッグウォーマーなどで、「首」「手首」「足首」に冷たい空気が入らないようにすると良いでしょう。
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足湯
上記で、湯船に入ることをご紹介しましたが、日中など湯船に浸かる時間が無いときは、足湯をしてみましょう。
全身を温める入浴には劣りますが、足湯も十分効果的な手段です。
手足の温度が上昇すると、血管が拡張されることで副交感神経が優位になり、リラックスした状態を作りだします。また、血管が拡張されることで血液循環も良くなり、全身が温かくなります。
◆まとめ
「体を冷やさないようにする」のは簡単そうですが、なかなかできていないことが多いかもしれません。とても基本的な事ですが、こうした対策一つ一つの積み重ねが、後々の腰痛のリスクを少なくしてくれます。
冷えても痛くないのが普通です。「痛いのは冷えたときだけだから」と軽く考えて放っておくと、冷えに関係なく腰痛を発症するケースが少なくありません。
季節に関係なく、1年を通して痛みのない生活を送れるよう、日頃から意識しましょう。