転倒した後、しばらく経っても腰痛が治らないことがあります。
これは単なる打ち身ではなく、腰椎の圧迫骨折を起こしていることも考えられます。
特に高齢者の場合は、その可能性は高まります。
こうした圧迫骨折経験者の中には、骨自体は治ったのに腰痛が改善されないケースがあります。
今回は、この「治療後にまだ残っている腰痛」が、整体で解消するケースについてご紹介していきます。
【目次】
◆ただの骨折じゃない!脊椎圧迫骨折とは?
「脊椎」とは背骨のことを指します。そして、背骨を構成する骨の一つ一つを「椎骨」と呼びます。
「脊椎圧迫骨折」とは、外部からの圧力によって椎骨が押しつぶされることで起きる骨折症状のことです。
骨折と聞くと、転んだり尻餅をつくなど、強い衝撃や力が加わって起きると考えがちですが、圧迫骨折は、くしゃみや重いものを持ち上げる、体をひねるなどの日常動作でなることがあります。
これは、骨密度が減少している骨粗鬆症の方に起こりやすく、更に、3人に2人は骨折した時には、痛みを感じないという怖いものです。
高齢者の多くが、転倒してしばらくたってから腰痛がひどくなり、病院で診断を受けたところ「圧迫骨折」と言われることがあるのです。
また、70歳以上の女性の3人に1人がなる危険性があると言われています。
◆圧迫骨折ってどんな症状が出るの?
症状は、動けないほどの激しい痛みが出る方もいますが、主に寝返りや、起き上がる時など、カラダを動かす時に痛みが出ることが特徴です。
安静にしていると痛みを感じないこともありますが、折れた骨の破片が脊柱管の内部に入り込むと、その骨が神経を圧迫し下肢の痛みや痺れを感じさせることもあります。
◆骨粗鬆症の方は危険
骨量(骨密度)は、20歳代くらいに生涯で最も高くなり、その後はゆっくりと低下します。
そして、女性は閉経期になると誰しも急速に減少し、その後ある程度経つとゆるやかにはなるものの、骨量減少が止まることはありません。
若いころに骨をたくさん蓄えることができなかったり、骨粗鬆症が進行すると、骨折を起こしやすい状態になるまでが早まります。
骨粗鬆症が進行すると、食事や運動療法だけでは不十分で、薬物療法が必要になることがあります。
骨粗鬆症の治療による骨量変化は、状態や薬によっても異なりますが、なかなか実感しにくいものです。
けれども、例えば治療をしなければ1年間に5%骨量が減少するところが、治療により2%の減少に留まれば、それも治療の効果があったことになります。
◆治療後の不良姿勢による他への影響
治療後、骨が元通りになればもう大丈夫と思われがちですが、この症状の場合は違います。
つぶれた椎体自体は、元の形には戻りません。
更に、背骨が横に曲がってしまう脊椎側弯症、後ろに曲がってしまう脊椎後弯症などになると、不良姿勢による腰痛や肩痛、腹部の圧迫が原因で、内臓疾患につながることもあります。
しかも、1か所骨折すると、別の部分も骨折する確率が2.6倍になり、2か所以上あると、確率は7倍以上になるというのです。
すると、ますます姿勢が悪くなり、日常生活にも支障をきたすことになります。
治療は長くかかる場合が多いため、治りきる前に他の部位を損傷することのないように、きちんと治療を継続する必要があります。
また、途中で治療をやめてしまうと、再び骨に異常が出てしまう危険性が高まるので注意が必要です。
70歳を過ぎた方が転倒し、その後腰痛が出たという場合に関しては、まず病院に行ってみてもらった方がよいでしょう。
※脊椎圧迫骨折の禁忌事項
受傷後、医師の方針によっても異なりますが、2週間はコルセットなどをつけての絶対安静となります。
2週間以降は、徐々に痛みもなくなっていきますが、骨折部の安定が得られていないこの時期の禁忌(してはいけない)事項は、身体を前に倒したり捻ったりする動きです。
こうした動作は、骨折症状の回復を遅らせる原因にもなりますし、腰椎を無理な方向に動かす事で、脊椎や神経を圧迫し、後々重大な後遺症を残す恐れもあります。
◆腰痛が治まらない場合はどうすればいいの?
病院で「完治した」と言われたのにまだ腰痛がある場合は、動かさないように気を付けていた間に、カラダが歪んでしまった可能性があります。骨自体は元に戻っても、歪んだカラダの影響で、周りの筋肉が固くなっていて腰痛が出ていることがあるのです。
これは、他の部位でも同じです。例えば、右足を負傷している間、ずっと左足だけを使って生活をしていたとします。
リハビリも終えてやっと普段の生活に戻ったとしても、使わなかった右足の筋肉は落ち、左足には偏った使い方をした分の疲労が残ってしまうでしょう。体のバランスの悪さは、そのまま残ってしまいます。
その時は何事もなかったとしても、数年後、数十年後に症状が出ることもあります。
特に圧迫骨折の場合は、コルセットでカラダを固定し、肋骨と骨盤を一塊で動かすことになるので、身体の歪みだけではなく、動きにも制限がかかります。
また、尻餅をついた影響で骨盤の関節部分である仙腸関節が動かなくなり、腰痛が出ることもあるのです。
しかし、腰痛の原因である筋肉の固さは、カラダを支えるために必要な場合もあります。
その部分の固さをとってしまうと、身体の重さを支えきれず、骨に直接負担を掛けてしまうことがあるため、安易なマッサージなどには注意が必要です。
それでは、このように歪んだカラダを元に戻すにはどうしたらいいのでしょうか?
◆歪み解消の専門整体院
「整体院」とは読んで字のごとく、体を整える、つまり歪みを正す専門の場所です。
カラダの歪みによって崩れてしまったバランスを戻すことができます。しかし、各整体院の施術方法は様々です。
筋肉を押したり揉んだりする整体もあれば、骨をボキボキならしてズレた骨を戻す整体もあります。
しかし、忘れてはならないのは、骨粗鬆症の方は強い刺激を受けてはいけないということです。
このような方が押したり揉んだりのような、強い刺激を与える整体を受けてしまうと、また骨折してしまう可能性があるのです。
最近では、赤ちゃんから90歳を超える方までに対応することができる、整体院もあります。
腰痛解消と予防のためには、優しい施術方法の整体などで、カラダを整えてもらうことをオススメします。
どの整体に行っていいのかわからないという方は、実際にその整体院に電話をして、整体院の先生と施術のやり方や安全性についてお話することが大事です。その際、圧迫骨折の経験がある方は、必ずその旨を伝えるようにしましょう。
一度整体院で嫌な思いをすると、もう二度と整体院には行きたくなくなってしまうかもしれませんので、整体院選びには十分お気をつけください。
参考までに、当院独自の整体理論についてご紹介します。
◆整体院のバランス理論
私たちは、人間が本来持つ驚異的な「バランス調整能力」を正常に稼働させることが、身体を自由に動かし、身体動作にかかる負担を最小化することが出来ると考えています。
健康的な生活を送るには「カラダの歪み」を解消し、正しいバランスでいることが大切なのです。
カラダを自動車に例えて考えると、筋肉は「エンジン」です。筋力が低下すると、運動する力が減少します。
加齢によって筋肉量が減少すると、立っていることや歩くことが面倒になるのはこのためです。
一方、骨や関節は「車体」の部分にあたります。
自動車を動かすには、エンジンとタイヤをつなぐ各パーツが正しい位置で噛み合う必要があります。
エンジンが正常に働いていたとしても、それぞれのパーツが連動しなければ動力は伝わらず、うまく動かすことが出来なくなります。
カラダが歪んでいる状態は、自動車でいえば各パーツが噛み合わず、燃費効率が悪いまま走っているのと同じです。
ある動作をしたときに、本来その動作に必要とされる以上の無駄な動きや力が必要になる、ということです。
それどころか、エンジン(筋肉)だけ良くしようとすると、バランスが崩れている車体(骨や関節)に更に負担をかけ、故障(痛み)の原因にもなりかねないのです。
そのため、カラダのバランスを整えた上での筋力トレーニングや、栄養バランス等、様々な面からのケアが必要になるのです。
◆まとめ
いかがでしたか?
治療後にいつまでも残る腰痛が、もしかしたら整体で解消されるかもしれないことをご理解頂けたでしょうか?
圧迫骨折自体が治っても、その後も腰痛が続くようであれば、整体院東葉コンディショニングでお力になれることがあると思いますので、是非お気軽にご相談ください。