仕事が忙しい、人間関係がうまくいかないなど、ストレスの発生源は私たちの身の回りに多く存在しています。
「精神的ストレス=心の問題」と思いがちですが、実はストレスは、体のあらゆる不調の原因にもなるのです。
今回は、そんなストレスから起きる腰痛についてご紹介していきます。
【目次】
◆ストレスが原因と考えられる腰痛とは?
まず、腰痛は「特異的腰痛」と「非特異的腰痛」の2つに分かれます。
特異的腰痛とは、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、腰椎分離・すべり症など、レントゲン検査やMRI検査、血液検査などによって、腰痛の原因を突き止める事が可能なものを指します。
非特異的腰痛は、検査等を行っても、原因がわからない腰痛を指します。
ストレスが原因の腰痛は、「非特異的腰痛」に分類され、原因不明の腰痛とされているケースが多くあります。
ではなぜ、ストレスが腰痛を引き起こしてしまうのでしょうか?そこには、自律神経が大きく関係しています。
◆自律神経とは?
自律神経とは、運動神経などとは違って自分の意思とは無関係に働く神経です。
心臓の拍動や呼吸、代謝、消化、循環、体温の調整など、24時間365日絶えず活動することで、私たちの生命活動は維持されています。
この自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があります。
交感神経は日中の活動時や興奮している時に優位になる覚醒の神経で、体にとってはアクセルのような働きをします。
反対に、夜眠っている時やリラックスをしている時に優位になるのが副交感神経で、ブレーキのような役割を果たします。
交感神経 | 副交感神経 | |
瞳孔 | 拡大 | 縮小 |
呼吸 | 激しくする | おだやかにする |
ホルモン分泌 | 促進 | 抑制 |
筋肉 | 緊張 | 弛緩 |
この2種類の神経がお互いバランスを取りながら働き、1日の中で自然に切り替わることで、やる気を出して働いたり、疲れた内臓や脳を休めて私たちの健康は保たれているのです。
◆腰痛の原因になるストレスと自律神経の関係
現代人は、カラダにとって多くのストレスを受けた状態で生活をしています。
例えば、
・人間関係のトラブル
・健康や将来に対する不安
・夜更かし、慢性的な睡眠不足
・TVやPC、スマホなどの使用時間が長い
・朝起きる時間がバラバラ
・仕事環境の変化
・生活リズムの変化
など、精神的ストレスや生活習慣の乱れが、カラダに対するストレスを更に強くしています。ストレスが過度に強くなると、体は常に緊張し、交感神経が優位な状態が続くため、副交感神経との切り替えがスムーズに行われなくなります。
交感神経が優位である状態が必要以上に長ければ、その間カラダはずっと臨戦態勢を強いられていることになるため、不眠、全身の緊張からのコリや痛み、便秘や下痢、免疫力低下からくるカゼや感染症など、様々な不調をきたします。
特に腰は、座り姿勢や立ち姿勢など、普段のカラダの使い方によって負担がかかりやすい場所です。ストレスフリーであれば、生じるのは疲労による張りやコリ程度かもしれませんが、精神的ストレスを強く感じている場合は、痛みが生じることがあります。
また、ストレスによってカラダが緊張していると、筋肉の硬さがとれにくく、腰痛の慢性化を招く場合もあります。
腰痛と筋肉についての記事はコチラ↓
《 https://toyoconditioning.com/blog/youtsu-kinniku/ 》
今痛みがなくても、カラダにストレスが掛かり続けると、今後痛みが出る可能性が高くなります。腰痛や、その慢性化を予防・改善するためにも、腰痛の原因となるストレスを解消することが必要です。
◆ストレスで腰痛が慢性化するメカニズム
腰痛が治りにくい、慢性化している原因には、ストレスの悪循環があります。
ストレスが痛みになり、更に、その痛み自体がストレスになると、負のスパイラルから抜け出すことは困難になります。
一時的に腰痛が和らいだとしても、根本的な原因であるストレスが解消されなければ、また痛みが強くなったりするのです。
ストレス解消のために趣味を楽しむ、適度な運動をするなどの発散方法をよく耳にしますが、様々な理由で上手く取り組めないことも多いはずです。
では、簡単にストレスを解消するには、どうしたら良いのでしょうか?
◆呼吸でストレス解消!?
ストレスを解消・軽減するカギは、「自律神経」にあります。
ストレスを受けて、乱れた自律神経を整えるために注目したいのが「呼吸」です。
呼吸は、自分の意思とは無関係に働く自律神経の中で、唯一コントロールできるものです。
私たちは意識しなくても呼吸をしていますが、ゆっくり腹式呼吸をしたり、限界までがまんして止めてみたりと、コントロールすることが可能ですよね。
吸う(吸気)=交感神経=筋肉が緊張する
吐く(呼気)=副交感神経=筋肉がリラックスする
呼吸は、自律神経が上記のように交互に作用することで行われる運動です。
ストレスを受けていると、呼吸は早く、浅くなりがちです。
息を吸う時間より息を吐く時間が長ければ、副交感神経が優位な状態になりますので、2~3秒かけて息を吸い、その2倍の4~6秒かけて息を吐くように意識しましょう。
交感神経の緊張を抑制することで、ストレスの原因になる緊張感や焦燥感、不安、イライラなども和らげることにつながります。
ストレスがあってもなくても、健康のために日頃から実践できるとよいでしょう。
◆身体のバランスを整えて深い呼吸を手に入れよう
ストレスの軽減に効果があるのは、意識的に行う呼吸法だけではありません。
身体のバランスを整えることも、呼吸を変え、ストレス解消につながります。
東葉コンディショニングでは、独自の整体技術「QPR法」によって、自律神経と呼吸の関係を利用した施術を行っています。
QPR法では、やさしく体を揺らすことで脳に安心感を与え、体を芯からゆるめることができます。
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体の奥にある深層筋の固さが解消されると、血液やリンパ液の流れが改善して、筋肉は本来の健康な状態に戻ります。
筋肉が本来の健康な状態に戻ると、骨格の歪みも改善しコリや痛みは解消されていきます。
また、骨格の歪みを改善し、身体のバランスが整うことで、本来の深い呼吸が出来るようになります。
呼吸が深くなると、酸素の供給量が増えるため、血液中の酸素濃度が上がっていきます。
すると、その酸素を全身へと運ぶために、血行が促進されるのです。
その結果、脳内にもたくさんの酸素が届けられます。脳には、100億を超える数の脳細胞があり、それらは酸素を得ることで活性化します。
脳細胞が活性化すると、非常にクリアでスッキリとした感覚が得られ、ストレスの解消へと繋がります。
日常生活において、何となく精神的に、または肉体的に辛いという場合、脳細胞が酸欠状態になっている可能性が高いため、しっかり呼吸をすることで酸素を供給する必要があります。
脳細胞が活性化している状態では、冷静な思考が出来るので、焦燥感もなく悩みが解決することもあります。
日常的に深い呼吸が出来るようになることは、身体と精神の両方に大きな効果をもたらすのです。
ストレスが溜まることは誰しもあることですが、カラダに不調として表れてしまう場合は要注意です。
ストレスを発散できるような、機会や時間が無いという方は、是非簡単な呼吸法から始めてみましょう。
腰痛を始め、原因不明の不調にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。