腰痛に最適なのは冷湿布?温湿布?

みなさんは、腰痛などが出た時に「湿布」を使うことが多いのではないでしょうか?

 

市販で売っているものや、整形外科で処方されたものなど、様々な湿布がありますが、「湿布が効かない!」、「湿布を取ったら、痛みが出てきた!」なんてことはありませんか?

 

腰痛が解消されないために、湿布を手放せないという方もいると思います。

 

湿布を貼っても効かない腰痛、それは腰痛を引き起こす根本的な原因が解決されていないからなのです。

 

今回は湿布を使わずに腰痛を解消させる方法をご紹介していきます。

 

腰痛の原因、ストレッチ方法を交えて説明しますので、最後まで一読ください。

 

【目次】

 

 

 

◆湿布にはどのような効果があるの?

湿布は、整形外科を受診した際などによく処方されますよね。

打撲、ねんざ、筋肉痛、肩こり、腰痛、関節痛といった症状の方に処方される湿布には、一体どのような効果があるのでしょうか?

 

湿布は温湿布と冷湿布の二種類があり、それぞれ含まれている成分、使用する目的、効果が違います。

 

●温湿布

温湿布は、血液の循環改善や新陳代謝の促進による、関節・筋肉の鎮痛効果があります。

慢性的な腰痛、肩こりなどのように、患部が硬く、動かすときに痛みが出るような症状に使われます。

 

温湿布に含まれる主な成分には、

・トウガラシエキス

・ノニル酸ワニリルアミド

・ニコチン酸エステル

など血流を増強する物質が含まれており、貼った部分の温度を上昇させるのです。

 

●冷湿布

冷湿布は、急性痛や熱を持ったりしているときに使います。血流の流れを緩やかにして、腫れや熱を持った炎症部分の痛みを緩和します。

そのため、打撲や捻挫などの怪我や、筋肉痛、肩こりなどの急性の痛みを伴うときに使われます。

 

冷湿布に含まれる主な成分には、

・サリチル酸メチル

・メントール

・ハッカ油

などの冷感成分が含まれており、これらの物質によって清涼感が得られるのです。

 

 

◆湿布貼っても解消されない腰痛の原因とは?

湿布には種類に適した用途があり、効果を発揮するものなのに、なぜ腰痛は湿布を貼っても効かないのでしょうか?

 

それは、湿布は痛みを緩和させることはできても、根本的に腰痛を解消させるものではないからです。

 

実は、腰痛が解消されない根本的原因には、「身体の歪み」が大きく関係しています。

 

人間の身体バランスは、例えるとダルマ落としゲームのようなものです。一部がずれても、他の部位をずらすことで均衡を保っています。

 

 

人間の身体は下から、足、膝、股関節、骨盤、脊椎、胸郭、頭とつながっていますが、ダルマ落としと同様に、どこかが歪んでも他部を歪ませることでバランスを取っています。

 

 

腰痛が楽になるのは、湿布を貼った時だけという方の場合、原因は腰ではなく、身体のバランスが崩れてしまった結果、腰に負担がかかり痛みが出ている可能性が高いのです。

 

身体の歪みの中で最も影響を受けやすい部位が、背骨の歪みです。

 

背骨は、頭側から順に7個の頚椎、12個の胸椎、5個の腰椎と、仙骨、尾骨から成り立っています。横から見ると、頸椎と腰椎は体の前方に、胸椎・仙骨・尾骨は後方に「生理弯曲」と呼ばれるゆるやかなS字の凸のカーブを描いています。

 

背骨の生理弯曲は、日常生活に適した姿勢を保てるように、人間の身体をバランスよく支えており、身体の衝撃に対しても負担の分散、吸収の役割を持っています。

 

 

しかし、日常生活でこの背骨に負荷がかかるような姿勢(前傾姿勢、中腰姿勢、猫背など)を続けていたり、体をねじるような作業や動作を繰り返していると、生理弯曲は崩れたり歪んだりしてしまいます。

 

すると、背骨で身体のバランスをキープすることができず、腰や背中の筋肉などで支えるようになります。

そのため、必要以上に筋肉を使うことになり、負担が腰に大きく掛かり、痛みを引き起こします。

 

つまり、「湿布を貼っても痛みが解消されない!」のは、腰痛の根本的な原因となっている身体の歪みがあるからで、それを整えない限り腰痛改善は難しいと言えます。

 

身体の歪みを改善させることのメリットとして、

・過度に負荷がかかっている関節や筋肉の緊張状態を改善

・血液やリンパ液の循環を促進

といった効果があります。

 

全身が整うと自然治癒力が正常に働き始め、カラダの各組織が修復され、腰痛が解消されていきます。

 

 

◆日常生活での「クセ」が、腰への負担を増大させる

身体が歪む原因に、重いものを持ったから、急な運動をしたから、などを思い浮かべるかもしれません。しかし、実はこうした歪みは「日常生活」が原因で引き起こされているのです。

 

人間には「利き手」「利き足」があり、無意識のうちに左右どちらか一方を多く使う生活をしています。

スポーツでの投げる・蹴るといった動きはもちろん、電車のつり革につかまる、カバンを持つなどの動作をいつも同じ側で行っていると、筋肉に左右差が生まれてしまいます。

 

これにより、左右のバランスが崩れ、骨格に影響が出た状態が「身体の歪み」なのです。

 

また、姿勢の悪さの代表と言っても過言ではないのが「猫背」。長時間のデスクワークや勉強中に背中が丸まってしまうと、背骨と連結している骨盤が一緒に後ろに倒れてしまいます。

 

このような姿勢は背骨のバランスをも崩し、背骨で繋がっている腰椎や骨盤にも大きな影響を与えてしまいます。

 

こうした姿勢を長時間、頻繁に続けていると、骨盤が後ろに傾いた状態で固定され、筋肉は柔軟性を失ってしまいます。

そして、腰椎のカーブが失われて腰や背中の筋肉が伸ばされる状態が続くと、痛みが引き起こされるのです。

 

また、イスに座ると足を組む人も多いですよね。足を組むと骨盤は右上、または左上にひねられます。

 

これを長時間、あるいは短時間でも頻繁に行うと、次第に骨盤がひねられた状態で固定されてしまいます。

 

座る姿勢に限らず、肘立て寝や片足重心のような、日常で行っている何気ない「姿勢」や「クセ」が、歪みを引き起こす大きな原因となるのです。

 

また、腰痛は内臓疲労も関係しています。

骨盤は内蔵を支える役割をしていますが、内臓の調子が悪くなると骨盤の歪みに影響するのです。

 

内臓の疲労によって、内臓を支えている周辺の筋肉が衰えて硬くなると、腰へ負担が強くなります。

 

こうした負担をかけ続けると、腰部の筋肉が圧迫されて血流が悪くなったり、骨盤の歪みが起こり、腰痛を引き起こす原因となってしまうのです

 

内臓の疲れを蓄積させないためにも、暴飲暴食をしない、体を冷やす食べ物や飲み物を摂取しすぎない、アルコールを控えるなど、食生活にも気をつけるようにすると良いでしょう。

 

 

◆湿布を使わずに腰痛を解消させる方法

では、ここで湿布を使わずに腰痛を解消させる方法を紹介します。

 

湿布を使わず腰痛を解消させる3つの改善ポイントがあります。

 

まず、一つ目は身体の筋肉に過度な負担をかけないように、正しい姿勢を身につけることです。

 

立つ姿勢、座った姿勢が悪いと身体も歪み、疲労が蓄積されて腰痛を引き起こしやすい身体になってしまいます。片足重心で立ったり、足を組んで座ったりしないようにして、正しい姿勢を意識していきましょう。

 

ここで、正しい立ち方、座り方をご紹介します。

通勤や仕事中など、日常生活の中で正しい姿勢を意識し、実践してみましょう。

 

 

 

2つ目のポイントは、日々の入浴をシャワーで済まさず、湯船につかることです。

 

特に、慢性腰痛のような筋肉の過緊張や血流の悪さから痛みが出ている場合は、39~40℃くらいのお風呂に10分~15分しっかりと湯船に浸かることで、血液循環が良くなり、筋肉の緊張がほぐれ、溜まっていた疲労物質が流れるようになります。

 

疲れや痛みを次の日に残さないようにするためにも、湯船に浸かる習慣を付けることが、慢性的な腰痛を解消させるための大きなポイントです。

 

3つ目のポイントは睡眠です。

 

睡眠は7時間以上取るようにして、翌日に疲れを残さないようにしましょう。

横になる時間を増やすと、腰に重力がかかる時間も減りますし、痛めた部位を修復、再生するための血液が流れやすくなります。

 

三つのポイントを説明しましたが、どの項目において共通して言えることは、「疲労を蓄積させない」ということです。

これは、日常生活において最も意識すべきことですので、ぜひ実践してみましょう。

 

 

◆「どうしても湿布が手放せない!」という方へ

腰痛の根本的な原因の解決までには、時間が掛かることもあります。

それまでの間、痛みを少しでも「減らしたい!」「和らげたい!」と湿布を貼って生活する方もいますよね。

 

もし、湿布を使用する場合、気を付けてほしいことが2つあります。

 

 

☑慢性痛には温湿布が効果的!

慢性腰痛の原因は、身体の歪みによる筋肉の負担です。筋肉への負担が大きくなることで緊張が強まり、血流も悪くなって自然治癒力が低下します。

温湿布には、血流改善、新陳代謝の促進の効果が、冷湿布は外傷や急性痛に効果があるので、慢性痛で辛い場合は温湿布を使うと良いでしょう。

 

☑皮膚のかぶれに気を付けよう

湿布は皮膚への刺激が強いもので、かぶれてしまう恐れがあります。張りかえる時は、部位をずらしたり、2時間ほどあけて貼るようにしましょう。

 

特に、温湿布を使っている時は、入浴によって皮膚が刺激され、痛みを伴う事があります。そのため、入浴30分~1時間程前にはがし、入浴後は30分程度経ってから貼るようにすると良いでしょう。

 

皮膚が弱くかぶれやすい方は、ガーゼを1枚おいてその上から湿布をしましょう。自分の出した汗や体についている汚れでかぶれることがあるため、湿布をかえる時には、ぬるま湯でやさしく皮膚を洗浄しましょう。

 

よく乾かして30分~1時間位肌を休めてから再度貼ると、皮膚かぶれのリスクを減らすことができます。

 

 

◆自宅でできる腰痛解消ストレッチ

腰痛の根本的な原因である、身体のゆがみ解消を自分で簡単にできるストレッチをご紹介します。

 

【簡単にイスに座ってできる骨盤矯正方法】

骨盤の歪みを整える前に、骨盤の歪みが出ているかチェックする必要があります。

 

まずは、イスに浅く腰掛けましょう。

そしたら、くるぶしを合わせて足を揃え、膝の位置に注目してください。

 

両膝の先に指を軽く当てて、上からのぞくように見てください。膝の位置はそろっていましたか?もし、ズレがみられる場合、骨盤のゆがみがある状態です。

 

 

骨盤が歪んでいた方は、この骨盤矯正体操をしてみてください。誰にでも簡単に出来ます。

 

先ほどの検査で足の短かった方を上に足を組んで、そのまま軽く左右に10回程度ゆらしてください。その後、再度足を揃えて検査します。足の長さが揃っていたら歪みがなくなった状態です。

 

もし、まだズレがある場合は、もう一度同じことを行ってみて下さい。

 

*足が組めない方は、軽く足を伸ばし気味にして、足首の上に先ほどの検査で短くなっていた方の足首をのせて10回程度揺らします。

 

 

【骨盤コロコロ体操】

 

 

骨盤を動かす体操です。

この体操は骨盤・背骨の歪み矯正や猫背の矯正に効果があり、普段の姿勢が原因で痛みが出ている方に効果的です。

 

【シムス位エクササイズ】

 

この体操は、腰背部、股関節の筋肉の緊張緩和効果があります。

ご自宅でするのなら、こちらのエクササイズがおススメです。

 

~注意点~

ストレッチは、痛くない気持ち良い範囲で行いましょう。痛いことはなるべくしない方が、早い症状回復が見込めます。普段から痛い姿勢や動作は、避けるようにしましょう。我慢してやる必要はありません。

また、たくさんやればやるほど、良くなる訳ではありません。疲れが出てしまうので、次に行うまでは30分以上あけ、1日数回に分けてやる方が効果的です。

 

 

◆まとめ

湿布を使わずに腰痛を改善させるためには、根本的な原因となる身体の歪みをなくすことが大切です。

そこが解決しないと、いくら湿布を貼っても痛みが完全に引くことはありません。

 

まずは、日常生活から姿勢を意識して、身体への負担を最小限にしていきましょう!

そして、湿布に頼ることなく生活できるようにしましょう!

 

また、「いち早く腰痛を解消させたい!」という方は、整体院東葉コンディショニングでの整体施術を受けることをオススメします。

身体の状態をしっかり見極めて腰痛の症状を改善していきます。

 

どのような整体施術を行うのか気になる方は、こちらに慢性腰痛の施術一例を紹介していますので是非ご覧ください。

慢性腰痛改善の方法

 

Writer

小橋 悟

【資格】
・ 脳と身体の整体療法「QPR法上級認定」
・ ブレイン&ボディバランス研究所  会員
・ NPO法人日本心理カウンセラー協会 会員

子供の頃から母親のカラダの不調を見ていて、 施術家の道を志す。
現在は、月間約400回の施術をしながら、八千代院の院長を務めている。

ここまで磨き上げてきた施術技術・知識に加え、優しい人柄で、来院者さんからの信頼も厚い。

当社が開催するトップランナー整体実践塾やQPR法ベーシック講座、センターラインインソール資格取得セミナーなど、同業の治療家に対しての技術講師も担当している。

その功績を認められ書籍「腰痛解消!神の手を持つ12人 令和元年版」の1人に選ばれる。

   
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